李大浩 ゴメスに負けない“4番お返し弾”高め狙い徹底奏功

[ 2014年10月27日 05:30 ]

4回1死、左越えにソロを放つ李大浩

日本シリーズ第2戦 ソフトバンク2-1阪神

(10月26日 甲子園)
 初球が高めなら振る――。李大浩(イデホ)はそう自分に言い聞かせていた。1点リードの4回1死走者なし。能見が投じた初球、スライダーが高めに浮いた。狙い通りバットを振り抜く。高々と舞い上がった打球は左翼ポール際に吸い込まれた。

 「(球種は)狙い球ではなかったが、初球が高めなら全ていくと決めていた。タイミングは完璧だった」

 1点を先制した初回の第1打席も初球の高めのチェンジアップに手を出し、遊ゴロ併殺に倒れていたが、通算で6打数無安打だった能見攻略へ「高め狙い」を徹底。そして2打席目で見事に仕留めた。前日は相手4番のゴメスが2安打3打点と爆発したが、ソフトバンクの主砲がお返しの一発。阪神ファンを沈黙させると満足そうに巨体を揺すってダイヤモンドを1周した。

 日本シリーズは来日3年目で初めての経験。相手は同い年の呉昇桓(オスンファン)が在籍する阪神となった。韓国出身の守護神は、この試合前までポストシーズン全8試合に登板していたが「呉昇桓の肩を休ませるよ」との宣言通り、リードを広げる一発で相手の必勝リレーを許さなかった。

 だが、グラウンドを出れば話は別だ。ともに韓国を代表するスーパースターとあって、2人の対決は母国でも注目度が高く、著名人が続々と試合観戦に訪れている。この日は、コメディアン俳優として有名なチョン・ジュナが来場。試合後、3人で食事に行く約束をした。日韓両国で話題を集める今シリーズ。もちろん主役の座を譲るつもりはない。 

 ≪初の能見討ち≫ソフトバンクの李大浩が4回に今シリーズ初安打となる1号ソロ。能見(神)とは、レギュラーシーズン3試合、9打席対戦し6打数無安打(3四球)。この日の第1打席も含め通算11打席目での初安打が貴重な一発になった。なお、この本塁打でチームの日本シリーズ通算本塁打は62本目。球団別では、巨人213本、西武130本に次ぎオリックスと並ぶ3位タイに浮上した。

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