【片岡篤史の目(1)】虎打線がはまった「武田カーブ」の罠

[ 2014年10月27日 09:00 ]

<神・ソ>7回1失点の好投を見せた武田

日本シリーズ第2戦 ソフトバンク2-1阪神

(10月26日 甲子園)
 日本シリーズ第2戦は、ソフトバンクが武田の好投で2―1と阪神に雪辱した。本紙評論家の片岡篤史氏(45)は、カーブを巧妙に使ったソフトバンクバッテリーの「緩い球の罠(わな)」が阪神打線を翻弄(ほんろう)したと分析。一方で4回1死から初球を本塁打した李大浩(イデホ)に代表される積極的な打撃が勝利をたぐり寄せたと指摘した。

 ◆負けられない秋山監督の起用に応えた 

 初戦黒星で迎えた第2戦。ソフトバンクにとって連敗は許されない一戦だった。登板間隔を考慮してCSで好投していた大隣を温存し、武田に託した秋山監督の決断は勇気の要るものだったと思う。応えた武田も立派だった。

 球種は140キロ台後半の速球と緩いカーブの2つにほぼ分けられる。緩い球で阪神打線に「罠」をかけた。罠とは緩い球の多用で「ポイントを近くしないといけない」と思わせることだ。ほとんどの打者が手元まで引きつけようと意識し過ぎていた。結果的に始動が遅れ、速球に差し込まれた。緩い球に対応するには狩野や西岡のように泳ぎ気味でも前でさばく意識を持った方がよかった。

 カーブ自体も特徴的だった。普通のカーブのように抜けてくる軌道ではなく高めから切れる軌道を描く。その軌道も一定ではなく高低によって微妙に違っていた。セ・リーグの投手では見ない独特の変化だった。

 速球には角度があり、微妙に動いていた。投球フォームに力感がなく、速球自体もタイミングを合わせづらい。そこに緩い球の残像が加わり、速球一本で待たれても打者を押し込めた。速球を打ち返されたのは4回の西岡の中飛だけ。球種が2つしかなければ、本来は狙いを絞られやすいが、独特の軌道が高めの速球と相まって各打者を惑わせた。第1打席でベース手前でワンバウンドするカーブを空振りしたゴメスは最後までカーブの残像に悩まされた。

 3年目21歳。堂々とした姿も印象的だ。7回の初四球ではマウンドで笑顔を見せる余裕があり、福留にカーブを痛烈にファウルされた後もカーブを続ける思い切りのよさも光った。

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