桃井球団社長と一問一答「不正常な状態放置できない」

[ 2011年11月19日 06:00 ]

大勢の報道陣を前に清武代表解任を発表する桃井社長

 【巨人・桃井球団社長に聞く】

 ――今後、清武さんと巨人軍は関係がなくなるということか。

 「そういうこと。取締役を解任しただけじゃなくて、ほかの職務も切りましたので。はっきり言えば巨人軍に出入りするのも、この施設に出入りするのも許可なくしては入れないという状態になります」

 ――後任は。

 「職務的には原沢という形になります。清武がやっていた球団代表、それからGM、編成本部長という仕事に移る。新たに選任された山岸が原沢がやっていた総務本部とか連盟担当の仕事をやる。編成業務、清武の後任は原沢になります」

 ――今回の決定に関して原監督ら首脳陣に相談、報告は。

 「相談する話ではないので、まったく相談はしておりません。ただ、やはり球団のフロントの大きな異動なので、すぐに連絡をしないといけないと思っております」

 ――清武氏側(弁護士)は自身の人事異動に関して理不尽、法的措置も辞さないと言っていた。今回の解任に関して訴訟があったときに球団側は対応できるか。

 「準備というか、もちろん解任するわけですからそれなりの理由がしっかりなければいけない。法律的にもしっかり手続きを踏まないといけないので。会社法の手続きをしっかり踏んで、今回の処分というか決定に至ったということです」

 ――取締役会は清武氏も出席したのか。

 「清武は球団の取締役会のその前のグループ本社の取締役会で解任が決まっておりますので、取締役ではない彼は出席しておりません」

 ――本人に伝えたか。

 「取締役会が終わり、こちらに戻ってきたのが3時半すぎ。3時40分から本人を呼んで通告しました。一言“分かりました”という返事がありました」

 ――この時期に編成本部長を原沢氏が引き継ぐ。編成、補強で大きな方針が変わるのか。

 「非常に大事なこの時期ですけど、今のこの不正常な状態をそのまま放置することはできないということで、あえてこの時期にこういう決定になった。編成の責任者が代わるということで、今まで清武がやってきた編成作業はいったんは白紙に戻さないといけない。それで原沢がもう一度やり直さないといけない。ただし大変なハンデを背負うことになるので、われわれも覚悟を固めていかなきゃいけないと思います」

 ――清武氏の現在の肩書は。

 「全くありません。彼は読売新聞社は昨年、定年退職しておりますので今まで専務というのがあっただけですが、本社の取締役会で解任が決まった段階で全く肩書がなくなった」

 ――解任理由で、読売巨人軍のイメージを著しく損ねたとあった。それに関して法的に訴える考えは。

 「今のところ具体的にはまだ。ただし、この1週間のなかでいろいろな人が傷ついたり、いろんな迷惑を受けてきたのは間違いない」

 ――この件に関して渡辺球団会長は。

 「きょうの結論というのは私も渡辺主筆とも、あるいは今度オーナーになった白石グループ本社社長とも繰り返し協議を重ねてまいりました。その結論として至ったのがきょうの決定とご理解いただきたい」

 ――試合がないとはいえ日本シリーズ期間中にこういう発表になった。

 「おっしゃる通り。私が一番、問題にしているのは時期以前に内容、やり方。それにしてもやはり日本シリーズのなかでやるというのは、ファンの方々にも大変申し訳ないと考えております。ただ、ああいう形でおきてしまったものを一刻も早く正常な形に戻さないといけないので、この時点で決定をした」

 ――人事はすでに発令したか。

 「グループ本社の取締役会が終わって、巨人軍の株主総会があったと見なされた時点で発令というか、効力は発生しております。この間、宮崎に行って監督コーチといろいろ面談したのはご存じかと思いますが、今回の事態について非常に困惑しておりました。涙を浮かべるような人もいた。うちの球団職員もこの1週間、つらい思いもしてきた。本来、球団を引っ張っていくべき取締役がこういう事態を招いたというのは、非常に私自身も強い憤りを覚えますし、それから代表取締役として私も責任を痛感しているところ」

 ――11日の会見以来、桃井社長、球団職員に謝罪はあったか。

 「私は彼と結構話す機会はありました。これはおかしいとかいろいろ言ってきましたけれど、謝罪という形での言葉は記憶しておりません」

 ――先日、発足した戦略室は清武代表の発案だが今後どうする。

 「それは彼だけの発案ではない。球団として必要だということで私も了承した。原沢GMになってもその形はやっていく。いかに実のあるものに持って行けるかということ」

 ――加藤コミッショナーに経緯の報告は。

 「まだ。週明け時間をみて、私もオーナーを外れるわけですし、そういうごあいさつも兼ねてうかがわなければいけないなと思っています」

 ――球団としてはこの人事をもって今回の事態は収束とするのか。

 「終わらせようというか終わらさなきゃいけないと思っています。長嶋さんがおっしゃったけど、これほどの混乱を招いたことはありませんし。この大試練をチームとフロントが一体となってなんとしても乗り切っていかなきゃいけない」

 ――編成は白紙とあった。コーチ人事など変更はあるのか。

 「それはありませんけど、原沢GMの考え方を尊重していかないといけないので。全部白紙に戻すかっていうものじゃない。清武GMの考えていたことはいったんあれして、原沢GMがどう考えるかということからスタートしなきゃいけない。そういうことから白紙に戻してということです」

 ▼読売新聞グループ本社監査役・御手洗冨士夫氏(キヤノン代表取締役会長兼CEO)清武氏の解任に賛成いたします。本日の取締役会で指摘された解任理由はその通りだと思います。

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2011年11月19日のニュース