開幕の混乱も巨人からだった…失った信頼、失墜したブランド

[ 2011年11月19日 13:05 ]

清武氏の解任を受け、巨人球団事務所があるビルの前には多くの報道陣が集まった

 不意打ちのような巨人・清武球団代表の解任発表。事態は収束したのか。桃井球団社長の「終わらせようというか、終わらさなきゃいけないと思っています」という言葉に巨人の置かれた苦しい状況が見え隠れした。

 日本シリーズを台無しにするお家騒動。試合がない移動日とはいえ、ソフトバンクが王手をかけているタイミングで巨人は動いた。桃井社長は関係者、ファンへの謝罪を口にした。そして「一刻も早く正常な形に戻さないといけないということで、この時点で決定をした」と絞り出した。

 11日の会見後、渡辺球団会長は清武氏のGM職の継続を一度は許した。だが、処遇があいまいなGMが来季の編成を進めたことで事態はより深刻化した。16日にスタートしたFA権を持つ選手との交渉では、立場が明確でない清武氏との交渉に選手も困惑した。

 日本シリーズの影響への批判もあり、球団は清武氏の解任に二の足を踏んでいたのも事実。一方でシリーズに配慮すれば、シリーズ終了後は清武氏の処遇問題に追われ、補強やFA交渉が後手に回る恐れがある。来季へ向けた補強での出遅れを阻止するためにも1日でも早く新体制をつくり、球団内外へ編成部門の信頼感をアピールしなければならなかった。だから、なりふり構わず内紛にフタをした。結局、自球団の都合を優先させたのだ。

 一連の騒動で巨人ブランドは失墜したといえる。清武氏の内部告発から始まった内紛は渡辺会長、原監督、そしてこの日は長嶋終身名誉監督まで登場した。チームが低迷した上、内輪もめの暴露合戦。渡辺会長が絶対的存在として君臨し、これまでなら絶対に表に出ることがない話が相次いで外部に出たことで、グループ内の微妙な変化も見え隠れした。

 思えば今春、3月11日の東日本大震災の影響による開幕延期問題で、渡辺会長が予定通り3月25日の開幕を主張し批判を受けた。シーズンのフィナーレでも球界に混乱を招いた。墜(お)ちた球界の盟主への野球ファンの信頼はそう簡単に回復しない。(巨人担当キャップ・春川英樹)

続きを表示

「第91回(2019年)選抜高等学校野球大会」特集記事

「稲村亜美」特集記事

2011年11月19日のニュース