【玉ノ井親方 視点】琴ノ若 立ち合いから最後まで計算された完璧な相撲

[ 2022年7月19日 05:25 ]

大相撲名古屋場所9日目 ( 2022年7月18日    ドルフィンズアリーナ )

若隆景(左)を寄り切りで破る琴ノ若(撮影・亀井 直樹)
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 【玉ノ井親方 視点】伸び盛りの力士の成長速度には驚かされる。平幕の琴ノ若が、大関候補の若隆景を一枚上手の相撲で破った。

 立ち合いからよく考えていた。懐に入られると厄介な相手の出足を止めるため、もろ差し狙いで、当たるとすぐに右を差した。その後の寄り方もうまかった。「差した方に寄れ」の鉄則通り、左で相手の下手を絞りながら右へ寄った。当たった勢いのまま正面に出ていたら、若隆景に左から投げを打たれ、体勢を崩されていただろう。最後まで計算通り。三役力士に何もさせない完璧な相撲だった。

 既に横綱、大関との対戦を終え、三役で取組が残るのは大栄翔、豊昇龍、阿炎の3人となった。一方、2敗で並んでいる照ノ富士は、終盤に強い相手との取組が続く。このまま2敗で食らいついていけば、面白い展開になるだろう。(元大関・栃東)

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2022年7月19日のニュース