サニブラウン 冷や汗決勝進出、それでも不敵笑み「優勝かっさらっていきたい」

[ 2021年6月25日 05:30 ]

陸上・日本選手権兼東京五輪代表選考会第1日 ( 2021年6月24日    大阪市・ヤンマースタジアム長居 )

男子100メートル準決勝、1組3着に終わり足早に引き上げるサニブラウン(撮影・北條 貴史)
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 サニブラウンがヒヤヒヤで男子100メートル決勝進出を決めた。準決勝各組2位までの着順では決められず、タイムで救われたことを確認すると「運、良かったですね。通ったからには決勝へ準備して、誰も注目しないので優勝かっさらっていきたいと思います」と不敵に笑ってみせた。

 今季は5月31日に米国で走った1レースのみ。5月15日には左太腿裏の疲労を理由にレースを直前回避した。順調さを欠いた影響か予選はトップ通過も、準決勝ではスタートから20メートルでふくらはぎがけいれん。「スタートブロックに入るまで何も感じなかった。少し気温が高かったので、疲労がたまったんだと思う」と強がった。

 16年リオデジャネイロ五輪は、高校3年生ながら代表入りへ大きな期待がかかっていたが、直前の故障などで選考の場に立つことさえできなかった苦い記憶がある。五輪への思いは募り、コロナ下の昨年8月に一時帰国した際には国立競技場へ足を運んだ。外観を眺め「外からホエーという感じで見ていました」と感傷に浸ったこともあった。

 2年ぶりの国内レースで怪物ぶりを見せつけるには物足りないレース続きに、一抹の不安は残る。それでも「感覚自体は悪くない」と気にするそぶりは見せない22歳。「1日あるのでコンディショニングして、100メートル1本を全力でいきたい」。諦めるわけにはいかない。5年前に果たせなかった夢は、25日の決勝でかなえる。

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