内藤雄士の90切りゴルフ【最終回 パットが苦手な人の共通点】

[ 2021年6月25日 12:00 ]

内藤雄士コーチ(左)と野田すみれ
Photo By スポニチ

 最終回はパッティングについてです。〝90切り〟を目指すなら3パットを減らし、1パットの数を増やしていきたいところ。内藤雄士コーチによれば、その鍵はバックスイングの大きさと左手首の角度にあると言います。正しいストロークを身につけ、平均パット数を減らしていきましょう。アシスタント役は世界ジュニア元日本代表でタレント活動でも人気の野田すみれさんが務めます。

 内藤 野田さんはパッティングに関して悩みはありますか?

 野田 基本的には得意なんですが、最近の課題としては、インパクトでストロークが止まってしまうので、なるべくフォロースルーをとるように心がけています。

 内藤 そのために気を付けているところは?

 野田 バックスイングを大きく取り過ぎないことですね。テークバックを小さめにしてフォロースルーを大きくするようにしています。

 内藤 まさにその考えは大切で、実は90切りを目指すアベレージゴルファーはバックスイングがやや大きめになっています。その結果、ダウンスイングからインパクト、フォロースルーにかけてスピードを緩めるため、ストロークが安定しません。本来、パッティングでもショットと同じようにダウンスイングからインパクト、フォロースルーにかけては、ヘッドスピードが加速していくのが理想です。そのためにも、バックスイングを大きくしないことが重要になります。

 野田 確かに私も下りのパッティングでインパクトが緩んでしまうことがあります。そういうときって、いい転がりはしてくれませんね。
 内藤 バックスイングが大きいことが全ての原因です。野田さんも下りのパットではバックスイングが大きいため、本能的にインパクトを緩めてしまうんですよ。自動車の運転もアクセルを踏み続けているときのほうが、安定した走行ができると思います。しかし、アクセルから足を離したり、ブレーキをかけると走行が不安定になりますよね?インパクトでスピードを緩めるのは、まさにブレーキをかけたときと同じ状態なんです。

 野田 ヘッドスピードを加速することが安定したストロークを生むわけですね。あまり考えたことはなかったです。

 内藤 野田さんクラスの人は自然にできているからですよ。あと、気をつけてほしいのが、手首の角度です。アドレス、テークバック、インパクト、フォロースルーでは、常に同じ角度になるように心がけましょう。特に左手首ですね。パッティングが苦手な人は、左手首を甲側に折る傾向があります。これだとヘッドが加速しないし、フェースの芯でボールを捉えにくくなります。

 野田 手首をこねるような動きですね?

 内藤 そうです。アドレスしたら、とにかく腕から先の形を変えずに、肩の動きでストロークするイメージを持ちましょう。振り子のように肩から先を動かすことによって、ヘッドがスムーズに動きます。あとは、適正なバックスイングを行い、加速的なストロークを意識するだけです。

 (取材協力・千葉国際カントリークラブ【PGM】)
 

 ◆内藤 雄士(ないとう・ゆうじ)1969年(昭44)9月18日生まれ、東京都出身の51歳。日大ゴルフ部出身。米サンディエゴアカデミーなどで最新のスイング理論を学び、98年からプロを教えるプロコーチとして活躍。丸山茂樹の米ツアー優勝に貢献し、矢野東、谷原秀人ら多くのトッププロを指導。

 ◆野田 すみれ(のだ・すみれ)1999年(平11)2月8日生まれ、東京都出身の22歳。日本女子大卒。3歳でゴルフを始め世界ジュニアの日本代表に10年から3度選出。11年にハワイ・パールオープン・ジュニアで優勝。1メートル57。

続きを表示

2021年6月25日のニュース