田中希実が連覇で日本女子初1500M代表へ 世界ランクで選出濃厚

[ 2021年6月25日 19:13 ]

陸上日本選手権 ( 2021年6月25日    ヤンマースタジアム長居 )

<陸上日本選手権>女子1500メートル決勝で連覇を飾った田中希実(撮影・北條 貴史)
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 女子1500メートルに出場した日本記録保持者の田中希実(21=豊田自動織機TC)が4分8秒39で連覇し、東京五輪代表をほぼ手中に収めた。1周目から先頭に立ち、リードを大きく保った。最後は卜部蘭が追い込んできたものの、2秒以上離してゴールした。

 東京五輪参加標準記録4分4秒20には届かなかったものの、世界ランキングなどを基に算出される「五輪出場優先順位」は38番目(世界ランキングは47位)に位置する。この種目の出場枠は45人で、7月1日まで現在の圏内を維持すれば、この種目日本勢初の切符をつかむ。秒読み段階だ。

 5000メートルでも既に代表権を持つ田中は、走ることが身近な家庭環境で育った。コーチで父の健智さんは3000メートル障害で日本選手権に出場し、母・千洋さんは北海道マラソンを2度制した。父は引退後、市のマラソン大会や駅伝大会といったイベント事業を手がけたことで、娘も自然とランニングに関心を持った。

 週末になれば、仕事の両親に付いて、全国各地を回った。小学生になる頃には、受付や給水係をした。母が開くマラソン教室を間近で聞いた。ランニングを愛する老若男女と触れあって成長した。「走ることが嫌いだと思ったことがない」というランナーとしての根幹は、こうして養われた。

 文武両道で知られる。同大の4年生になり、学校の制度を利用して、子どものころから興味を持つ文学の授業を他大学で受けている。様々な角度から自分磨きを続け、五輪の舞台に上がる。

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