【砂村光信 視点】試合ごとに修正点を改善し成長した早大、MVPはNo・8丸尾

[ 2020年1月12日 07:45 ]

ラグビー全国大学選手権   早大45―35明大 ( 2020年1月11日    国立競技場 )

<全国大学ラグビー選手権決勝 早大・明大>前半、2人がかりで明大・山村を止める早大・丸尾(左上)と長田(撮影・沢田 明徳)
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 早大と明大のラインメークの差が途中までのスコアに表れた。早大はバックドア(ダブルラインの後方のライン)の選手が縦に走り込むため、角度を少し変えただけでタックルを外し、裏へ抜けることができた。SO岸岡から離れた位置にCTBが立ち、岸岡が横へ動いても一緒に流れないのでフラットパスに対し直角に走り込める。一方、明大の選手はSO山沢につられて横へ流れるため動きが読まれやすく、抜くスペースも減っていた。

 ボールキャリアーへの寄りでも早大が早かった。FWはもちろん、バックスも相手につかまると両脇の選手がすぐに寄り、サポートするのでボールが早く出るし、SH斎藤も余裕を持ってプレーを選択できていた。一方、明大はボールキャリアーが行くところまで行ってからサポート役が寄るため、相手守備に備える時間を与えてしまっていた。早大は完敗した早明戦をはじめ、大学選手権でも試合ごとに修正点を見つけて改善し、成長した。一方、勝ち続けていた明大は修正点を見つけられないまま、決勝まで来てしまった印象がある。

 斎藤や岸岡らバックスが目立つ中、MVPにはNo・8丸尾を挙げたい。スピードがあって前へ出られるNo・8は貴重な存在。早実時代からいい選手だったが、この日の出来は素晴らしかった。(元U―23日本代表監督)

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2020年1月12日のニュース