明大 後半だけで5トライ35点 重戦車目覚め猛追も連覇夢散…

[ 2020年1月12日 05:30 ]

ラグビー全国大学選手権   明大35―45早大 ( 2020年1月11日    国立競技場 )

<全国大学ラグビー選手権決勝 早大・明大>早大に敗れ肩を落とす明大フィフティーン(撮影・沢田 明徳)
Photo By スポニチ

 試合終了と同時に、明大フィフティーンはぼう然とグラウンドに立ち尽くした。連覇が夢と消え、悔し涙が真新しい芝に染みこんだ。フッカーの武井主将は「結果が全て。チームを勝たせられず申し訳ない」と自らを責めた。伝統の一戦は、明大に厳しい現実を突きつけた。

 新しい国立競技場には“魔物”がいた。前半12分、早大にファーストトライを許し、パニック状態に陥ったまま次々と得点を許した。悪夢のような0―31。フィジカルで押され、相手のハーフ陣にはスペースを突かれた。「相手のアタックに対してディフェンスが狭かった。ブレークダウン(密集でのボール争奪戦)に寄ってしまった」と田中監督は振り返った。

 だが、ハーフタイム、武井の言葉で落ち着きを取り戻す。「真価が試されている。もう一度、逆転しにいくぞ」。後半3分にはWTB山村が相手を引き連れながらインゴールに体を投げ出した。ビデオ判定によるトライで反撃ののろしを上げ、後半だけで怒濤(どとう)の5トライ。35点は、意地だった。

 連覇を目指した今季、自主性に重きを置いた強化を図ってきた。慣例だった指名による主将決定を、4年生の合議制に変更。武井が選ばれ、1年から4年までが意見を活発に言えるよう働きかけた。夏合宿の練習試合では慶大に大敗したが、徹底した話し合いで空中分解はなかった。追われる立場ながら、2年連続でたどり着いた決勝の舞台。武井は「後輩に諦めない姿勢は見せられた」と胸を張った。

 意表を突くトライを挙げたSO山沢、ロックの箸本ら、多くの主力が残る。「この経験を生かし、チームを引っ張っていきたい」と山沢。この日味わった悔しさを胸に、頂点を目指す戦いが再び始まった。

続きを表示

この記事のフォト

2020年1月12日のニュース