開幕戦白星呼び込んだ ジョセフJの「反発」超えた信頼関係

[ 2019年9月21日 06:00 ]

ラグビーW杯1次リーグA組   日本30―10ロシア ( 2019年9月20日    味スタ )

<日本・ロシア>ロシアに勝利し、スタンドの声援に応える日本代表(撮影・吉田 剛)
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 開幕戦を終えたジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)の表情は柔らかかった。「序盤は緊張があった。しかし、試合が進むにつれて(緊張が)緩んできた。選手たちのしっかりとしたゲーム運びに感謝している」。16年9月5日の就任から3年、「ONE TEAM」が形となった日。実現の最大の障壁は、15年W杯で日本代表が味わった強烈な成功体験だった。

 フィットネスを武器にしたポゼッション重視の戦術、グラウンド内外での厳しい規律が結実した、南アフリカからの大金星。ジョセフHCが持ち込んだのはキックを交えて効率的にボールを運ぶ戦術であり、グラウンド外は選手の自主性に任せるチーム運営。180度の方針転換は、特に15年大会経験者の反発を生んだ。

 17年春に代表復帰したリーチはホテル内をサンダルで歩き、自由に外出する選手の姿に「緩みがあった」と感じた。さっそく「エディー時代と同じくらい厳しくやりたい」と進言したが、却下された。「2人の間でごちゃごちゃがあった」と振り返る時期だった。

 ジョセフHCにも信念があった。身命を賭す覚悟でジャージーを目指せば、自然と行動は伴う。「服装なんてどうでもいい。それよりも大事なことがあるだろうと」。18年2月から指揮官に同行してきた藤井雄一郎強化委員長は、特に溝があった日本人選手との関係を取り持ち、ジョセフHCの思いを伝えた。昨年9月には4日間の短期合宿で「日本代表とは何ぞや」の議論を重ねた。目指す方向性が一つになり、失敗を重ねた新戦術も浸透。結果が伴ってきたことで、首脳陣と選手の信頼関係は深まった。

 「こういう試合(W杯開幕戦)はトレーニングできない」。指揮官自身も経験がない、自国開催の開幕戦を乗り越えた愛弟子たち。3年間の苦節が、結実した白星だった。

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