真顔のシンデレラ 渋野、8位発進“黄金世代”ガチ勝負

[ 2019年9月21日 05:30 ]

女子ゴルフツアー デサントレディース東海クラシック 第1日 ( 2019年9月20日    愛知県 新南愛知CC美浜(6437ヤード、パー72) )

1番、大勢のギャラリーの中、笑顔でスタートする(左から)渋、原、新垣(撮影・椎名 航)
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 全英女子オープンの覇者、渋野日向子(20=RSK山陽放送)が5バーディー、2ボギーの69をマークし、首位に6打差の3アンダー、8位と8月のNEC軽井沢72以来、3試合ぶりのトップ10スタートを切った。韓国の李知姫(イチヒ)(40)が16番でホールインワンを達成するなど自己ベストを1打更新する63を叩き出し、賞金ランク首位を走る同じ韓国の申ジエ(31)と9アンダーで首位に立った。

 ジュニア時代から切磋琢磨(せっさたくま)してきた“黄金世代”原、新垣と抜きつ抜かれつの真剣勝負を繰り広げた。本来は感情がすぐ外に表れるタイプ。“スマイルシンデレラ”渋野がこの日は“真顔”で初日としては今季最多を記録した約8000人のギャラリーを魅了した。

 「久しぶりにいい気分です。楽しくゴルフができました」

 カメラマンの要望に応え、1番では3人そろって手を振る笑顔のサービスショット。5分近く待たされた14番ティーイングエリアでは試合会場近くの地名「常滑(とこなめ)」をどう読むかが話題となり「じょうかつ」「つねすべり」と互いに珍解答を繰り出しながら大笑いする同窓会のようなシーンもあった。

 しかし、いったん、プレーに戻るとすぐに真剣モードに。3人ともに2アンダーで迎えた12番パー5(545ヤード)ではドライバーの平均飛距離14位(245・73ヤード)の渋野が同4位(252・41ヤード)の原を約20ヤード近くもアウトドライブし、残り247ヤードの第2打を3Wでピン右15メートルに運んで楽々バーディー。笑顔やハイタッチではなく本来の攻撃ゴルフでファンを沸かせた。

 渋野がこの日感じた楽しさを前回味わったのは、原と上位争いした6月のアース・モンダミンカップ。原2位、渋野4位だったが、賞金ランクで上回った渋野が全英切符を勝ち取った。その当時は笑顔全開で海外メジャー制覇を成し遂げた全英ほど笑ってはいなかった。笑顔先行で忘れかけていた真剣な表情もまた渋野の魅力。「今日みたいなゴルフができれば」。メリハリを利かせた笑顔と真顔の“二刀流”で逆転優勝を目指す。

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