真央 今季自己ワースト62・10点 まさかの6位発進

[ 2013年3月16日 06:00 ]

フィギュアスケート世界選手権の女子SPで6位となった浅田真央

フィギュアスケート世界選手権第2日 女子SP

(3月14日 カナダ・ロンドン=バドワイザー・ガーデン)
 3年ぶり世界一はまだ諦めない。女子ショートプログラム(SP)で、浅田真央(22=中京大)はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めたものの、他のジャンプで失敗して62・10点の6位と出遅れた。69・97点で首位に立った10年バンクーバー五輪金メダリストのキム・ヨナ(22=韓国)とは7・87点差。ともに最終第4組で滑る16日(日本時間17日)のフリーでは、完璧な演技で最終滑走の宿敵にプレッシャーをかける。

 心の底から笑えない。演技を締めくくった浅田のスマイルが、わずかに曇った。目を閉じて、悔しさのまざった息を吐き出した。トリプルアクセルを決めた2月の四大陸選手権では74・49点のハイスコアをマークしたSPで、今季自己ワーストの62・10点。まさかの6位発進に、「四大陸のような演技がしたかったけど、それができなくて残念」と唇をかみしめた。

 冒頭の大技は両足着氷気味だったが、認定された。「足を着いてしまって、100%じゃない。悔いもあったけど、いい流れに乗れればいいなと思った」。ポップな「アイ・ガット・リズム」のサウンドに身を委ねたが、3回転フリップ―2回転ループの連続ジャンプでフリップが回転不足。3回転ループは1回転になり、「跳ぶ前から左足が変な方向にいっていた。危ないなと思いながら跳んでしまった」と肩を落とした。

 キム・ヨナと11年世界選手権以来、2年ぶりの激突。昨年12月、ライバルが復帰した際に「キム・ヨナさんも頑張っているし、またバンクーバー前みたいな感じになるのかな」と話して以降、名前を口に出すことを避けてきた。特定の選手と競っているわけではなく、自らの演技に集中しているから。この日もキム・ヨナのカムバックについて海外メディアから問われたが、「大きな試合に戻ってくるのは凄いこと」と話すにとどめた。

 過剰な意識はしたくなくても、3年ぶりの金メダル奪回には宿敵を撃破するしかない。SPで別組だった2人は、フリーはともに最終組で演技。浅田が22番目、24番目の最終滑走はキム・ヨナだ。「SPでは惜しいミスをしてしまったので、きょうのことは忘れて挽回できるようにしたい」。四大陸選手権のフリーでは、2つ目のジャンプでトリプルアクセルを入れたが、疲労がない状態で跳ぶために今大会は演技冒頭に挑戦する。世界一返り咲きへ。完璧な大技が逆襲劇の号砲になる。

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