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“ゴジラ”オイカワ退治 本命バスは不発だったけど…奥多摩湖

[ 2022年8月14日 06:59 ]

オイカワを釣った筆者
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】多摩川上流の奥多摩湖にブラックバス釣りに行きました。同行者は迷彩服で有名な奥多摩バスの軍曹と呼ばれる横島勝勝さん(55)。横田基地に勤務するスゴ腕のアングラーです。奥多摩湖のバス釣りは体力勝負で崖を登ったり下りたりするので健脚でなければなりません。

 横島さんは青梅マラソン30キロコースに毎年エントリーし、完走しています。私は10キロコースですが。彼は今年すでに55センチを含む大型魚を何匹も釣っています。あやかりたいものです。
 私は20年前に迷彩服を処分してしまっているので、地味な服装で行きました。

 最初のポイントでは、いきなり70センチはあろうかと思われるナマズが出てきて驚きました。

すぐに逃げてしまいましたが。

 お盆休みということですでに叩かれているのでしょうか?訪れる人も多く、ブラックバスは泳いでいるけれどルアーには見向きもしないという状況でした。それでもやっと1匹ヒットした魚は、流木に巻かれて切られてしまいました。

 4カ所やって暑くなり、そろそろ今日は諦めようかと思っていたころ、小さな流れ込みでライズする魚を発見。

 「ウグイかもしれないですが、フライがあるから釣ってみましょう」と崖を下りて準備開始。私は用意していたフライのパックロッドを取り出しました。ただし、この竿はバス用で9フィート5番。リーダーは2X(1・5号)がついていたので、これに0・8号と0・4号を50センチずつ継ぎ足しオイカワ用の「ミッジ」と呼ばれる超小型フライを装着しました。

 ライズのあった場所にそっと近づき、第1投。いきなりパシャっと出ました。合わせると銀色の魚が飛んできました。ロッドが硬すぎるためです。一瞬銀化ヤマメ?と思いましたが、その魚はオイカワのメスでした。

 オイカワは最近フライ釣り人の間で人気急上昇。渓流と同じく場荒れを嫌って、SNSに場所を明かさない人も多いです。多摩川水系にはたくさんいますから気にすることはありませんけどね。もちろんこの奥多摩湖も含まれます。

 そんなことを思いながら釣りを続けると2匹目は「ゴジラオイカワ」でした。それは婚姻色が出て、顔がいかつくなったオスのオイカワを指します。コイ科魚類は産卵期になると顔に追い星という白斑点が顕著に出ますが、オイカワはさらにそれがトゲのように張り出してとがります。

 まるでジュラシックパークに出てくる恐竜のような顔ですが、魚体のカラーは美しく、南米にいるチョウのような艶もあります。夏季だけこの変身した美しい魚体になるのです。そのうち多摩川でこれの釣り取材をお届けしようと思っていましたが、ここでバスが釣れずゴジラが釣れてしまったので記事にしました。

 気分的にはヤマメを釣るより癒やされるような感じでした。

 専門で狙う友人たちは毎週行っていますが、私の夏はいろんな魚がピークを迎えますのでオイカワに専念できません。実は我が家から5分の多摩川羽村エリアにもたくさんいるのですが、近すぎて行けていませんでした。こんなところで出合えたのをうれしく思います。

 魚はたくさんいたのですが、時間もないのでオス3匹、メス3匹釣って終了しました。ブラックバスは次回以降に頑張ります。(東京海洋大学客員教授)

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