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未来明るいニジマス30匹 鬼アマゴの聖地にC&R区間新設

[ 2024年3月17日 04:30 ]

棟近さん(左)のフライ技術は英国仕込み。見事に年越し銀ピカニジマスをヒットさせた。左は筆者
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】10日は静岡県東部にある鮎沢川の解禁日でした。今年は歴史的快挙で、渓流解禁シーズンにキャッチ&リリース(C&R)区間ができました。既に多くの有名河川ではC&R区間が設定され、多くの釣り人で連日にぎわい、遊漁券の売り上げが増加しています。中村博之組合長は「出遅れた感もあるが、名物・鬼アマゴをリリース規則にすることで、より多くの釣り人に楽しんでいただける釣り場を作ります」とのこと。頼もしい限りです。

 午前9時から釣りセミナーを行い、フライロッドで魚を見つけて釣るサイトフィッシングを指導しましたが、年越しニジマスたちは筆者たちのフライに果敢に食いついてきました。解禁日である上にC&Rになったことで、釣り人は昨年の倍以上いましたが、そのほとんどがルアーでしたので、フライの筆者たちは有利でした。なぜならより小さな疑似餌を自然に流すことができるからです。

 奥山塾常連の高島謙治さんは、開始してすぐ4連発。フライはピーチカラーのグローバグでした。昨年70センチを釣っている小林弓彦さんは、ウエットフライでヒットパターンを確立し、見つけた魚を順調にヒットさせています。前回、67センチを釣った平井忠さんは、とりあえずはルアーでと頑張りました。追いかけてくるだけでなかなかヒットに持ち込めませんでしたが、見事なアマゴをヒットさせました。

 棟近稔さんは今回最高齢者。英国でフライフィッシングを始めたというベテランです。サイトフィッシングは初めてで、最初は疑心暗鬼で筆者の話を聞いていました。アマゴを狙いたいと言っていましたが、周りがフライで連続ヒットさせていたので、とりあえずニジマスをとやってみたらフライにスッと寄ってきて、寸前で見破るその賢さにドキドキ、ワクワクでした。1匹釣り上げた後はベテランの腕を発揮し、次々にヒットさせていました。

 昼までに全員で30匹以上の大型ニジマス(最大は小林さんの61センチ)をヒットさせ皆さん大満足でした。ランチはふれあい公園で行われている解禁日イベント会場で。温かい豚汁をいただいていると中村組合長がやってきて「まだこのルールに疑問を持っている組合員もいて、一丸となっていない感もありますが、時間をかけていきます」と未来を語ってくれました。

 午後はアマゴ狙いに転じましたが一変してタフコンディション。そんな中でフライロッドに持ち替えた平井さんが、鬼アマゴを見事にヒットさせ盛り上がりました。

 始まったばかりの鮎沢川のC&R。殺さなければ魚は残ります。魚を丁寧に扱うにはバーブレスフックを使うこと、大型ラバーネットを準備すること、魚を岸に上げないこと、そしてグローブをしたまま魚を触らないこと。魚の未来は釣ったあなたの手の中にあります。

 鬼アマゴの聖地に栄光あれ!(東京海洋大学元客員教授)

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