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ヒレピンの30センチ「鬼鱒」予備軍 冬の禁漁期間でも楽しめるホットな自然渓流

[ 2024年2月10日 04:30 ]

ルアーで30センチ級の子鬼マスをゲット!
Photo By スポニチ

 【釣り女子アナの伝えたいこと】栃木県日光市に禁漁期間中でも釣りが楽しめる自然渓流がある。しかも、老舗温泉地・川治温泉の中だって!?噂を聞きつけた釣り大好きなアナウンサー・大塚ひとみが現場に向かった。取材の模様は動画でもお楽しみいただけます。

 うっすら雪化粧した山々。麓には旅館が軒を連ね、あちこちから湯気が立ち込めている。開湯300年の川治温泉にあるのが「川治温泉キャッチ&リリース(C&R)エリア」だ。 

 釣り場は鬼怒川と男鹿川合流点の約2キロ区間。釣行当日は月1回の放流日。おじか・きぬ漁協のメンバーや常連客ら約20人が、雪をかき分けながらニジマスの成魚放流作業を続けていた。鼻を赤らめながら指揮を執っていたのは、小野田栄二組合長(72)。冬季も釣り場をオープンする理由を「見ての通り大変な作業だけど、釣り人たちが冬でも竿を振れる場所をつくりたいので。カワウから魚を守るためでもあるね」と話す。

 感謝を胸にいざ挑戦。C&Rエリアには越年し50~70センチに成長した大型の個体がおり、中でも60センチ超は鬼怒川から1文字取り「鬼鱒(オニマス)」と称されている。

 漁協の小野田祥一さん(41)と山越巧也さん(36)が案内してくれたのは、目の前に旅館が並ぶポイント。それなのに、目視できるほど魚が集まっている。「ここは旅館の風呂場から温泉が流れてくるので、周りより水温が高いんですよ」。魚たちも温まりたいのかな。フライ、テンカラ、ルアーで狙えるとのことで、私はルアーをチョイス。ミノーやスプーンなどを代わる代わる投げるが…。どれもお気に召さない様子。ヒレを機敏に動かす姿は、手を振ってバイバイするように見える。

 唇をかみながらも投げ続けると、ググ、ググ…念願のヒット。大小の岩をかわしながら丁寧に巻き上げる。バレないでくれよ。エメラルドグリーンの水面から顔を出したのは、約30センチのニジマス。澄んだ目にツヤのある体、そしてヒレピンだ。2人からの評価は?「子鬼!」「鬼鱒予備軍!」って。“鬼退治”とはならなかったが、魚体の美しさにしばらく見入った。美しいのは温泉の効能なのか…。その後、同級を1匹追加し納竿となった。

 祥一さんは「自分たちが冬も釣り場を開放することで、冬季は休むしかなかった釣り人たちが喜んでくれたり、閑散期の町が少しでも活気づいてくれたら、うれしいことですよね」と目を細める。地元漁協の思いでできた釣り場は、冬でもぬくもり温かい。


 ◇大塚 ひとみ(おおつか・ひとみ)1993年(平5)生まれ、千葉県出身。フリーアナウンサー。NHK宇都宮放送局、栃木放送、ウェザーニューズを経てフリーに。釣り歴はカサゴなど小物釣りを中心に20年。

 ▼釣況 おじか・きぬ漁協=(電)090(2543)2620=野沢さん。C&Rエリアの日釣り券は2000円、女性は1000円。現場売りは4000円。C&Rエリアは今月末まで。

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