×

一人一瀬 「私だけの場所」で23センチ 東京から600キロ 車で8時間の秘境

[ 2022年7月13日 07:08 ]

中崎のチャラ瀬で   
Photo By スポニチ

 【2022 アユ】昨夏は和歌山県古座川(小川)にすっかり魅せられ、再訪した。清流も山の緑もアユ釣り師を温かく包み込んでくれた。 (スポニチAPC・恩田 誠)

東京都府中市内の自宅から古座川までは約600キロ。大半は高速道路が使えるとはいえ、約8時間の運転はやはり厳しい。

 それでも清流と豊かな森を目にした途端に疲れは吹き飛び、「来て良かった」という思いが心を満たす。

 古座川本流も日本有数の清流として知られているが、その支流である小川(こがわ)は別格の清らかさ。谷間の湧水が美しさを保ちながら、そのまま広い河原に流れ込んでいるようなのだ。その清冽(せいれつ)な流れに釣り人は魅入られてしまう。

 この川は混雑とは無縁で、最低でも「一人一瀬」という暗黙のルールがある。それゆえ、仲間同士で釣りをするのでなければ、他の釣り人の姿を見ながら竿を出すということはほとんどない。

 川の流れは基本的に緩やかで、釣り場となる上流部から古座川合流部間の32キロの間に、段差がある場所といえば名勝「滝の拝」だけで小堰堤(えんてい)一つない。

 竿が出せないような荒瀬もめったになく、ほぼザラ瀬、チャラ瀬、トロ場の連続だ。林道から川に下りる場所さえ見つかれば、文字通り「私だけの場所」で友釣りが堪能できる。

 今季は水量が少ないために魚の動きが良くないようで、居る場所と居ない場所がはっきりと分かれている。「一度大水が出れば魚が散らばるのだが」と常連は語っていた。

 ▼釣況・オトリ・宿泊 民宿やまびこ=(電)080(2409)1616。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る