若貴聖地で真夏の思い出 創業70年の歴史ある場所でウキウキ

[ 2021年8月17日 07:20 ]

釣りを楽しむ家族連れ。奥の池ではジョーズが口を開ける                               
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 【釣り日和】遠出ができないのなら近場で楽しもう。東京都杉並区の和田堀公園に隣接する釣り堀が「武蔵野園」。練り餌でコイやフナを釣った後は、セミの声を聞きながら広い食堂でぼんやりと過ごす真夏の休日。心が洗われる。(笠原 然朗)

 赤色“格子”の建物が異彩を放つ。昭和レトロの雰囲気はどこか懐かしい。

 「武蔵野園」の創業は1951年(昭26)。薄暗い入り口を抜けるパラレルワールドのような空間に4つの池があり、その中の一つにはなぜか大きな口を開けたジョーズが。3代目の当主、青木大輔さん(54)によると、これは映画「HiGH&LOW」のロケを釣り堀で行った時のセットの一部。「捨てるというのでもらいました」とか。

 サメににらまれながら釣りを始める。1・6メートルのシンプルな竹竿を使ったウキ釣り。練り餌でハリ先を隠すようにして打ち込むと、小魚がしきりに餌をつつく。沈んだところでツンという鋭い当たり。合わせのタイミングがなかなか難しい。

 隣で釣っていたのは「近所から来た」という親子連れ。ウキの動きに合わせてお母さんが続けて35センチほどのコイを2匹。

 「私、釣りをするのは初めてなんですよ」。タモですくったコイはハリをはずしてからすぐに放流するのがルールだ。

 子供の頃、この釣り堀を頻繁に訪れ遊び場にしていたのが大相撲の元横綱・若乃花と貴乃花の兄弟だ。2人にとって思い出の場所で、一緒に遊んでいた青木さんは「大ちゃん」と呼ばれ、今でも親交があるという。

 食堂に鎮座しているダルマも「貴乃花部屋を閉める時にもらいました」。

 コロナ禍で食堂の売り上げは半分近くまで落ち込んだ。東京五輪・パラリンピックで日本を訪れる外国人が立ち寄ってくれることにも少し期待したが、それもなくなった。

 だが創業70年の歴史は重い。「ここは若貴の聖地です」と話す青木さんは、釣り堀を訪れた無数の人たちの思い出も守り続けている。

 ◯…「武蔵野園」は人気ドラマ「孤独のグルメ」にも登場。俳優・松重豊演じる井之頭五郎が食べたのは親子丼と焼きうどんだが、自ら厨房(ちゅうぼう)で調理も担当する青木さんイチ推しメニューは「オムライス」(900円)。食堂のメニューは80種類以上。釣りをしなくても利用することができる。

 ◯…国学院久我山高野球部出身の青木さんは元甲子園球児。身長1メートル56と小柄だが、1985年(昭60)のセンバツでは松商学園を相手に1番・右翼で出場した。

 ▼案内 武蔵野園=(電)03(3312)2723。料金は30分大人500円、子供400円から。

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