「帰ってきたウルトラマン」団時朗さん死去 日米ハーフの端正なマスク 17年肺がん発覚も精力的に仕事

[ 2023年3月25日 04:50 ]

06年、ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念映画の会見をした(左から)高峰圭二、団時朗さん、五十嵐隼士、森次晃嗣、黒部進

 人気特撮ヒーロー番組「帰ってきたウルトラマン」などで知られる俳優の団時朗(だん・じろう、本名村田秀雄=むらた・ひでお)さんが22日午前4時14分、肺がんのため都内の病院で死去した。74歳。京都府出身。葬儀は近親者のみで行う。確かな演技力でシリアスからコミカルな役柄まで幅広くこなした団さんが、光の国に帰っていった。

 団さんは、2017年夏に肺がんと診断された。治療を受けながら仕事を続け、テレビ東京のドラマ「ただ離婚してないだけ」などに出演。所属事務所は「病気になってからもユーモアと優しさを失わず、生きるパワーに満ちあふれて仕事にまい進しておりました」としている。だが、昨年末から病状が悪化をたどり、帰らぬ人となった。

 高校卒業後に上京し68年、資生堂「MG5」のCMでデビュー。1メートル87の長身と日米ハーフの端正なマスクで女性ファンのハートもつかんだ。俳優としては映画に端役で出演していたが、71年のTBS「帰ってきたウルトラマン」の主人公・郷秀樹役に抜てき。「ウルトラセブン」から4年を経て、昭和第2期ウルトラシリーズとして放送された同作は、怪獣と戦うヒーローとしての活躍だけでなく一般市民だった郷がウルトラマンになったがゆえの苦悩や葛藤、時に慢心も強調した人間ドラマとして描かれた。当初は視聴率が上がらなかったが、後半は常に25%以上を記録し、団さんの人気も上昇。75年の日本テレビ「少年探偵団」の怪人二十面相役も話題となった。81年のフジテレビ「ロボット8ちゃん」では青井博士をコミカルに演じ、幅の広さを見せつけた。

 84年に片岡孝夫(当時)主演の舞台「ハムレット」に出演して以降は活動の場を舞台に移し、芸名を「団次郎」から「団時朗」に変更。同年の江守徹、日下武史さん主演の「Good」、坂東玉三郎主演の「長崎十二景」、杉村春子さん主演の「浮巣」などで高い評価を得た。その後も森光子さんや森繋久彌さんの座長公演に出演し舞台俳優としての地位を確立。テレビでも、14年のNHK大河「軍師官兵衛」の赤松政秀役などで存在感を見せていた。

 団 時朗(だん・じろう)1949年(昭24)1月30日生まれ。京都府出身。68年にCMでデビューし、同年の映画「わが命の唄 艶歌」で本格的に俳優活動を開始。同作の主題歌「バラの恋」で歌手デビューもしている。主な出演作に日本テレビ「スーパーロボット マッハバロン」、舞台「ふるあめりかに袖はぬらさじ」、「双頭の鷲」などがある。

 ▼黒部進(「ウルトラマン」ハヤタ)ただ驚いています。イベントの折の、彼の楽しそうな笑顔が忘れられません。早過ぎませんか…寂しくなりますね。

 ▼森次晃嗣(「ウルトラセブン」モロボシ・ダン)寂しさと悲しみで、今は言葉になりません。病気のことは以前から聞いてはいたのですが、あんなに体が大きく、頑丈そうな彼が逝ってしまうなんて…ショックが強すぎます。ここ数年はコロナのこともあって会えない時間が長かったから、余計に悔しく感じています。

 ▼星光子(「ウルトラマンA」南夕子役)突然の訃報に驚いています。ウルトラの花びらがヒラリと1枚散りました。さみしい限りです。ご冥福をお祈りいたします。

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