パックン「ロード・オブ-」非白人俳優起用に私見「社会問題がなければどんな配役でも構わないけど」

[ 2022年9月14日 22:30 ]

パックンこと、パトリック・ハーラン
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 お笑いコンビ「パックンマックン」のパックンことパトリック・ハーラン(51)が14日、ABEMA「Abema Prime(アベプラ)」(月~金曜後9・00)に生出演し、人気シリーズ最新作「ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪」が起用俳優をめぐり物議を醸している問題についてコメントした。

 アマゾンプライムビデオで今月から独占配信が開始された同シリーズは、エルフ、ドワーフなどの登場種族に非白人の俳優が起用され、ポリコレ(政治的妥当性)に配慮した配役になっている。一方で、原作や映画シリーズとは異なる設定であることから、熱狂的なファンからは「原作の世界観を壊している」などと批判が上がり、出演者への誹謗中傷に発展している。

 パックンは「原作を全部読んだし、映画も5回以上見てるし、大好きなシリーズですよ」と明かし、「若いころから見ているから、白人の配役はすっと入るんですよ」と、まずは原作ファン側の立場からコメント。「だって、『忠臣蔵』にいきなりアメリカ人が登場したら、困りますよね?何でいるのか。だって、“日本人だろうが!”って見てる人が多いと思う」と、日本に置き換えて説明した。

 英作家J・R・R・トールキンによる原作は、1954年から55年にかけて出版された。世界で多様性が尊重されるよう前の時代になる。パックンによると作品には、現在の感覚では人種差別とも取れるような表現も見受けられるという。

 一方でパックンは、作品の壮大なメッセージ性にも触れた。「トールキンのメッセージが、“いろんな人種はあるけれど、悪と戦うためにはみんな協力し合って、友情、愛、愛国心を持って戦わないと勝てないぞ”という、人種差別よりはるかに大きな、壮大なメッセージを持って原作を書いて、それがうまく今までの作品の中で表されているかなと思う」と指摘。「今の時代でそれを表せるのは、むしろ人種差別的な構成を乗り越えて、今風にアレンジした方が、そのメッセージが生き残ると思う。そう変えていかないと、逆に廃れていってしまうんじゃないかな」と、今回のキャスティングに理解を示した。

 人種問題がさまざまな歪みを生み出している昨今。パックンは「社会問題がなければ、どんな配役でも構わないけど、それをすごい意識した方が、今の社会問題を改善しようとしている世の中に合うんじゃないかなと思います」と持論を語った。

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2022年9月14日のニュース