映画評論家・秦早穂子さん ゴダール監督は「偏屈だったけど目は奇麗」

[ 2022年9月14日 05:30 ]

ゴダール監督死去

65年、フランスの女優アンナ・カリーナさん(左)と映画祭に出席したゴダール監督(AP)
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 「勝手にしやがれ」を世界で最初に買い付けた映画評論家の秦早穂子さんは「それまでに見ていた映画とは完全に違った」と振り返った。

 1959年、日本の洋画配給会社の社員としてパリで働いていた秦さんは、同作のプロデューサーから、編集前のフィルムを見てくれないかと頼まれた。映し出されたのはジャンポール・ベルモンドさんがカメラに向かって直接語るシーン。「私はこれを待っていたんだ、と思いました」。すぐに日本の本社に連絡し「買います」と伝えた。「息もたえだえ」だった原題の邦題は「勝手にしやがれ」に。「“これは若い人の叫びなんです”と押し通した」と述懐。交流が生まれたゴダール監督は「偏屈だったけど、目は奇麗な人だった」といい「一つの時代が完全に終わりました」と悼んだ。

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