降谷建志「胃がんで胃を全部取っていて抗がん剤も止めていたからね」父・古谷一行さん急逝に沈痛

[ 2022年9月2日 20:08 ]

「Dragon Ash」のKjこと、降谷建志
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 ドラマ「横溝正史シリーズ」の金田一耕助役や「金曜日の妻たちへ」などで人気を博した俳優の古谷一行(ふるや・いっこう、本名かずゆき)さんが8月23日に死去した。78歳。東京都出身。葬儀・告別式は親族のみで済ませた。ここ2年ほど体調不良で公の場に姿を見せず、7月には20キロ減の激痩せが報じられていた。ただ、先月に入って食欲も戻り、回復していただけに周囲はショックを受けている。

 ロックバンド「Dragon Ash」のボーカルで長男の降谷建志(43)はこの日夜、悲しげな面持ちで帰宅。古谷さんと30年来の付き合いがあった近隣住民に「ニュースで見て驚いたよ」と声を掛けられると「胃がんで胃を全部取っていて、抗がん剤も止めていたからね」と説明した。仲良し父子で知られただけにショックは大きい様子だった。

 古谷さんは7月下旬に女性誌で激痩せした姿がキャッチされたが、所属事務所によると、8月初めにはスタッフと食事をするほど回復。今秋の仕事復帰を目指し、体力をつけるためにスポーツジムに通っていた。しかし、亡くなる数日前から顔色が悪く、自ら「入院するわ」と言って、病院に行った日に息を引き取った。事務所関係者も「青天のへきれき」というほどの急死で、死因は分かっていないという。

 所属事務所は「あまりにも突然なことに、ご遺族のご心痛は、計り知れないものでございます」とコメントを発表。降谷やその妻で女優のMEGUMI(40)らを思いやった。後日、お別れ会を行う予定という。

 古谷さんは11年10月に肺がんと診断され、翌11月に腫瘍の摘出手術を受けた。その3年後に脳への転移が見つかったが、放射線治療で病を乗り越えた。肺がんを患って以降、大好きだったタバコをやめ、ゴルフやウオーキングなどで健康に留意していた。

 しかし、20年9月に急性胃潰瘍で救急搬送されて以降は体力が落ち、映画「おもいで写真」(21年1月公開)への出演を最後に公の場に姿を見せていなかった。20年に俳優デビューした孫の降谷凪(13)も含め、家族で古谷さんを支えてきた。

 古谷さんは中大在学中に俳優座の研修生となった。デビューは30歳と遅咲きで、77~78年にTBS系ドラマ「横溝正史シリーズ」「名探偵・金田一耕助シリーズ」で主人公の金田一耕助役に抜てきされ、20年以上のシリーズに。83年にはTBSの主演ドラマ「金曜日の妻たちへ」が大ヒットし、金妻ブームを巻き起こした。日本テレビ系ドラマ「失楽園」(97年)では不倫の末に心中する主人公を熱演した。

 名探偵から悪役、気のいいおじいちゃん役まで幅広く演じこなした名優が静かに逝ってしまった。

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