知床観光船、窓に大きな破損なし 専門家が推測「取り残された方が少ないことにつながるかも」

[ 2022年5月5日 15:50 ]

東京・赤坂のTBS社屋
Photo By スポニチ

 長岡技術科学大学院教授で水難学会の斎藤秀俊会長が5日、TBS系「ゴゴスマ~GO GO!smile~」(月~金曜後1・55)にリモートで生出演し、北海道知床半島沖で起きた観光船の沈没事故について、公開された船内写真から事故状況を解説した。

 乗客乗員26人を乗せた「KAZU 1(カズワン)」の事故では、これまでに14人の死亡を確認、12人の行方が分かっていない。第一管区海上保安本部は、船内に水中カメラが入って撮影された画像10枚を公開した。斎藤氏は「意外と船室の中があまり荒れていなかったなという印象があります。何かにぶつかって壊れるとか、そういった雰囲気ではなさそうですね」と分析した。

 中でも注目したのは、船体の窓だという。「一つ考えられるのは、波によって窓が破壊されて、そこから一気に浸水するというパターンを考えたんですけど、それはなさそうですね」とし、「浸水が始まってから沈没するまで、結構な時間があったんじゃないかと思います」と推測した。

 公開された写真には、乗客乗員とみられる影は写っていなかった。斎藤氏は「天井のところがまだ撮影されてない。浮き上がっているとすると、天井に人がいる可能性はありますから、そういった死角はまだあるかなと思います」と、逃げ遅れた人が船内から発見される可能性がわずかにあることを指摘した。

 事故が起きた23日午後1時18分には、カズワンから他の会社に「船首が浸水している」などと救助を求める連絡が入った。斎藤氏は「あるいは1時よりもうちょっと前から浸水しているのかなという予測も立っています」と推測。乗員が船の異常に「何らかの形で気が付いていると思う」とし、「船の傾きが違うとか、ちょっとしてから気づいて、沈むかもしれないので、お客さんを屋根のところ、デッキへ誘導する時間があったとすると、室内に取り残された方が、今の段階(写真)では見えないですけど、比較的少なかったということにもつながるかもしれないですね」と見解を示した。

続きを表示

2022年5月5日のニュース