橋下徹氏 ウクライナ侵攻であらためて持論「NATOとロシアが互いに譲歩を」「キエフ総攻撃回避して」

[ 2022年3月10日 11:34 ]

橋下徹氏
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 元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(52)が10日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月~金曜前8・00)に出演。ロシアのウクライナへの侵攻を巡り、あらためて持論を展開した。

 MCの谷原章介が「橋下さん、かなりキエフ、追い詰められてきています」と聞くと、橋下氏は「本当に総攻撃って悲惨なんですよ。今ね、ウクライナで必死に抵抗されている戦闘員の皆さんには本当に敬意を表します。プーチンは暴挙の限りを尽くしているので、なんとかこれを倒したいという気持ちは僕もあるんですけれども、ただ西側諸国は“プーチンを倒さなきゃいけない”“プーチンに妥協するな、譲歩するな”ってみんな言うんですけども、肝心なところはウクライナの支援をしません」と指摘。

 そして、「戦闘機をウクライナに供与するっていうのは、これは戦争になってしまうので西側諸国はやらないんですよね。じゃあウクライナの人たちは戦闘機がない、いわゆる制空権、きちっと空を押さえることができないと、包囲戦になると空爆でとんでもない被害が生じるんです。過去の歴史を見ても、現代においても包囲戦ほどひどいものはなくて無差別攻撃です」と話した。

 その上で「国際法の専門家とかね、いろんな人たちが“これは国際法秩序を維持すべきだ”“国際秩序を揺るがしてはならない”“絶対に妥協はだめなんだ”ということをいう人たちが日本でもたくさんいますけれども、そういうことを言っている人たちは命の安全が守られている人たちなんですよ」とし、「戦地ではね、きょうでも明日でも命を奪われるのをみんな恐れている。これ谷原さん、戦争というものはリアルに考えなきゃいけないと思うんですが、例えばですよ、日本の長崎で原爆落とされました、死者7万4000人、広島では14万人が犠牲になりました。東京大空襲では11万人が犠牲、大阪大空襲では1万人。僕、沖縄戦はじめね、知事市長時代からずっとこの戦争というものをリアルに勉強しようと思って、いろいろ回りましたけれども、本当に悲惨でキエフの総攻撃は今言った話が全部合わさるくらいの犠牲が出るかも分からない」と自身の考えを説明。そして「僕はこの犠牲を回避することと、国際法学者が言っている建前論、どっちの方を重視するんだと。建前を少々ね、後退させてでも、とにかくこのウクライナの非戦闘員の命を守ることに全力を尽くしてもらいたい。その時にわれわれ西側諸国はゼレンスキー大統領、今一生懸命やってるけども“戦え戦え正義のために戦え”この声援だけでは、僕はだめだと思います」と持論を述べた。

 ここで谷原が「ちなみにどういう譲歩であれば、ロシア、プーチン大統領は聞くと思いますか?」と聞くと、「これは正直、プーチンの心境なんて分かりませんけれども、もともとずっとウクライナ戦争に至るまでの経緯を考えれば、やっぱりロシアとNATOの安全保障上のつば競り合いだと、僕はそのように認識していますから、それがウクライナの方に犠牲にいってるだけ。ですからウクライナだけを犠牲にするんではなくて、NATOとロシアが1回話をして、国際法の専門家は“絶対に譲歩するな”“西側、譲歩するな”って言うんですけれども、やっぱりこのウクライナとかそれからジョージアとかロシアからすると、もの凄い恐怖に感じているところを、NATOを拡大しようとした、こういう話をもう1度、抜本的に協議をし直してロシアとNATOでお互いに譲歩するような、とにかくキエフの総攻撃だけはなんとか僕は回避してもらいたいと思います」と強調した。

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2022年3月10日のニュース