藤井王将がA級初昇格 歴代2位の若年記録「良かった」、来年にも最年少名人挑戦

[ 2022年3月10日 05:30 ]

佐々木七段を下し、A級昇格を決めた藤井王将(左)(日本将棋連盟提供)
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 将棋の第80期名人戦順位戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)B級1組最終13回戦は9日、東西の将棋会館で6局一斉対決を行った。9勝2敗でトップに立つ藤井聡太王将(19)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=は佐々木勇気七段(27)を90手で下して10勝目を挙げ、1位が確定。来期のA級初昇格を決めた。

 「今期は全体として苦しい戦いで、何とか昇級できたのは良かったです」と息をついた藤井。19歳7カ月でのA級入りは、加藤一二三・九段(引退)の18歳1カ月(1958年2月)に次ぐ歴代2位の若年記録となった。

 この日はともに昇級を争う8勝3敗の稲葉陽八段(33)と千田翔太七段(27)が勝ち、藤井が敗れた場合は前期順位の差で昇級を逃す可能性があった。対戦相手の佐々木は、17年7月2日の初手合わせでデビュー以来の連勝記録を29で止められた因縁の相手。それでも序盤から終盤にかけて持ち時間をぜいたくに消費する「聡太流」を存分に披露し、怒濤(どとう)の攻めで勝ちきった。A級での抱負を尋ねられると「(今期は)課題が多かった。そのあたりをしっかり振り返り、来期は(名人の)挑戦争いに絡めるよう頑張りたい」と話した。

 「鬼のすみか」と称される高レベルのB級1組を1期で通過の史上最年少5冠。今春開幕する「神のすみか」A級(所属10人)で1位になれば来春の第81期名人戦7番勝負出場となり、谷川浩司九段(59)が持つ史上最年少名人記録(21歳2カ月)に挑戦することになる。

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