「ドライブ・マイ・カー」の濱口監督驚き「こんなところまできてしまった」、アカデミー賞4部門ノミネート

[ 2022年2月10日 05:30 ]

アカデミー賞での4部門ノミネートを受け、オンラインで会見した濱口竜介監督

 第94回アカデミー賞で、日本映画として初めてとなる作品賞のほか、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の4部門でノミネートされた「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督(43)が、発表から一夜明けた9日、オンラインで会見した。

 吉報がもたらされたのは、ベルリン国際映画祭の審査員を務めるため現地の空港に降り立った直後。「率直に大変驚いています。(原作の)村上春樹さんの物語の力、それを実現した俳優たちの力、それを支えたスタッフの力の成果だと思います」と素直な気持ちを明かした。

 脚色賞も日本映画史上初で、監督賞も3人目の快挙。非英語映画という壁を打破したが「英語字幕で見ている人でも役者の声に感情が宿っていることが直接分かって、普遍性のある映画として受け入れられた結果でしょう」と分析。アカデミー賞に限ったことではないと前置きした上で、「この映画を好きになってくれた人がいた確かな証拠なので、本当にうれしい」と相好を崩した。

 3月27日(日本時間28日)の授賞式には、もちろん出席する意向。「ハリウッドは夢の工場といわれていて、その夢の世界と自分たちの日本映画がつながった。その歴史の中に自分がいることが凄いと感じる。この映画がどこまで導いてくれるんだろうと思ったが、こんなところまできてしまった。極致ですよね」とはにかんだ。

 10本が選ばれた作品賞には、スティーブン・スピルバーグ監督(75)の「ウエスト・サイド・ストーリー」など大作が並ぶ。受賞に関しては「成り行きでしかない。どういう場所なのか想像もつかないが、自分が映画を見始めた頃からやっているスピルバーグや、(主演男優賞候補の)デンゼル・ワシントンらと同じ場所にいられることを楽しみたい。それに尽きます」と語った。

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