北京五輪開会式視聴率 日本選手団入場で最高25・2%も“退屈”バッハ演説で最低マーク

[ 2022年2月8日 05:30 ]

開会式に登場した日本選手団(AP)
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 4日にNHK総合で生中継された北京五輪開会式の平均世帯視聴率が21・3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが7日、分かった。

 瞬間最高は日本選手団が入場した午後9時23分の25・2%。一方、スポニチ本紙集計では、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長のスピーチ中だった午後10時48分に“瞬間最低”の16・8%を記録した。

 生中継は午後8時58分からスタート。午後9時にセレモニーが始まり20・6%から上昇。LEDスクリーンや24本のレーザー光線など、最先端の映像技術を駆使した演出が繰り広げられ、視聴率は右肩上がりとなった。そして、日本選手団の入場で最高をマーク。

 選手入場終了後は組織委員会の蔡奇会長とバッハ会長があいさつ。バッハ会長のスピーチが始まった午後10時41分は18・5%だった視聴率はそこから下降。開始から約7分後の熱弁中に16・8%で底を打った。その後、スピーチが終わった午後10時52分に17・9%。それ以降は式のクライマックスへ向けて18%台を連発していった。オリンピック旗が入場する午後10時56分と聖火点灯後に花火が打ち上がる午後11時18分が後半最高の18・7%となった。

 バッハ会長のスピーチが最低となった理由について、民放プロデューサーは「視聴者は素晴らしい演出、生ならではのハプニングを楽しみにしている。その意味でバッハ氏のあいさつは退屈な時間と捉えられてしまった。東京五輪の“長いスピーチの実績”もあり、お茶の間が離れていった」とみる。

 バッハ会長は、昨年の東京五輪開会式で13分間のロングスピーチを敢行。会場の選手が飽きて地面にゴロ寝してしまう始末だった。今回も氷点下4度の極寒の中で約10分間にわたり“演説”。テレビ局関係者は「バッハ氏が最低で、日本選手団が最高なのは視聴者の興味の高い低いが如実に表れた」と分析している。

 また前回の平昌五輪開会式が30・1%だったのに対し、今大会は8・8ポイント下落。民放ディレクターは「ゴールデン帯スタートの開会式にしては低い数字。本来は注目を集めるはずの羽生結弦も北京入りしておらず、開会式そのものに興味を持たなかった人も多かった」と指摘した。

 《3495万8000人が1分以上視聴》ビデオリサーチは視聴人数も発表。到達人数(1分以上番組を視聴した人数)は3495万8000人。番組全体の平均視聴人数は1496万5000人だった。

 《フィギュア人気で高視聴率》過去の開会式の生中継での視聴率は98年長野五輪が35・8%で最高。今大会は5番目だった。上位は長野と札幌の自国開催と近年の大会。14年ソチ大会は深夜1時からの生中継は13・7%だったが、午前9時38分からの録画は22・3%を記録。未明から大雪に見舞われた土曜日で多くの視聴者が録画放送を家でゆっくりと見た。視聴率は時代をさかのぼるほど高い傾向があるが、冬季五輪はこの十余年、高視聴率が続いている。テレビ関係者は「浅田真央さんが初出場したバンクーバー大会以降、フィギュアスケートの人気が高く、冬季五輪も注目を集めるようになった」と話している。

 《陵侑金は瞬間最高15・9%》開会式以外の五輪中継の平均視聴率では、5日にNHK総合で放送された高梨沙羅が出場したスキージャンプ女子個人ノーマルヒルが17・3%でトップだった。瞬間最高は高梨が表彰台を逃したことが確定した直後の23・0%。また小林陵侑が金メダルを獲得した男子個人ノーマルヒルはTBSが中継。アイスホッケー女子1次リーグと合わせた放送で、平均視聴率は10・5%。瞬間最高は小林陵の金メダルが確定した後の15・9%だった。

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