町田啓太 大河「青天を衝け」で土方歳三役 「シンパシーを感じる部分があった」

[ 2021年5月10日 08:30 ]

NHK大河ドラマ「青天を衝け」で土方歳三を演じる町田啓太(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】NHK大河ドラマ「青天を衝け」で、俳優の町田啓太(30)が演じる新選組副長・土方歳三が、9日の放送に初登場した。

 土方は京の都で、主人公の渋沢栄一(吉沢亮)らと遭遇。誰かを探している最中で、殺気だった視線を栄一に送り、刀に手を掛けて栄一を動揺させた。

 新選組のダンダラ模様の羽織姿。演じる町田は「袖を通して、いろんな意味で大きく感じ、身が引き締まった。子供の頃に田舎道で、木の棒を振り回していた自分を振り返ると感慨深い」と胸の内を明かす。

 町田は2010年に「劇団EXILEオーディション」に合格。同年に舞台「ろくでなしBLUES」で俳優デビューし、その後、映画「HiGH&LOW」シリーズやNHK連続テレビ小説「花子とアン」などで役者としてキャリアを重ねてきた。

 剣術にたけた人物として知られる土方役での大河出演に「もともと時代劇が好きで剣道を始めた。大河には強い思い入れがあるので挑戦できて光栄」と充実感いっぱい。大河出演は2018年に「西郷どん」で小松帯刀役を演じて以来、2度目となるが「前回は力が入っていた。今回はもう少し心に余裕を持ってやるようにした」と自然体を心掛ける。

 土方は今後、戊辰戦争に参戦。鳥羽・伏見の戦いで敗れた後も官軍に抵抗して転戦し、函館に渡って五稜郭を占拠する。

 町田はその人物像について「新選組の『鬼の副長』として狂気がある人と思ったが、調べてみると、自分に厳しく周りにも厳しく、筋を1本通そうとした人だと思った。どう生きるか、どう死ぬかに重きを置いていた。自信のある人。本当に心が強くないとできない」と話す。

 自身との共通点に関しては「武家出身ではない土方が、どういう思いで武士になったか話す場面がある。僕も地方の出身なので、シンパシーを感じる部分があった。東京に出てきた頃、地方出身ということを出したくなくて、どんな服を着れば良いか学んだりした。僕は芸能界、スポーツ界にあこがれ、土方は武士だったが、似たようなところがあるのでは」と推察する。

 これまで多くの俳優が演じて来た役柄で注目度も高いが「プレッシャーは特にない。『青天を衝け』ならではの土方を演じられれば」と意気込んでいる。

 初登場シーンは迫力十分だった。得意の剣道を生かした殺陣の場面が楽しみだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

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2021年5月10日のニュース