日テレ アイヌ差別表現問題 再発防止へ全社員対象に研修、BPO審議入りには「真摯に受け止め対応」

[ 2021年4月29日 05:00 ]

日本テレビ社屋
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 日本テレビは29日、同局の情報番組「スッキリ」(月~金曜前8・00)でアイヌ民族に対する差別表現が放送された問題について、あらためて謝罪するとともに、再発防止策などについて明らかにした。4月の定例会見が中止となったことを受けて、質問状に文書で回答した。

 同問題について、小杉善信社長(67)が3月の定例会見で「理解が足りていなかった」と謝罪し、再発防止策をまとめることを明言していた。今回はその再発防止策や、対応の進ちょく状況について説明。「5月に全社員、スタッフを対象としたアイヌ民族の歴史などを理解するための研修、6月に差別や人権問題をテーマとした研修の開催を予定しています。その後も必要な研修を行ってまいります」とし、アイヌ民族の歴史や文化、差別をめぐる問題などについて「スッキリ」やそのほかの番組でも放送していくとした。

 また、放送倫理・番組向上機構(BPO)が放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りを決めたことを受けて、小杉社長は「あらためてアイヌ民族の皆様、ならびに関係各方面の皆様に深くおわび申し上げます。BPOの審議入りに関しては真摯(し)に受け止め対応してまいります」とコメント。今回の件をめぐり、北海道アイヌ協会が、社長を含む幹部に6月に札幌市内で開く同協会の定例総会に出席して経緯を説明するよう求めていることについては、「会場にうかがう予定です」とした。

 問題となったのは3月12日の同番組で放送された、動画配信サービス「Hulu(フールー)」の番組を紹介するコーナー。ドキュメンタリー「Future is MINE―アイヌ、私の声―」を紹介後、お笑い芸人の脳みそ夫(41)が披露した謎かけに批判の声が上がり、同局も謝罪。政府は、加藤勝信官房長官が同15日の記者会見で「担当部署を通じて、当該放送局に対して厳重な抗議を申し入れた」とし「表現はアイヌの人々を傷つける極めて不適切なもので、誠に遺憾だ」と述べていた。

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2021年4月29日のニュース