作曲家・菊池俊輔さん死去 89歳「ドラえもん」「仮面ライダー」…テレビ黄金期の名曲手掛ける

[ 2021年4月29日 05:30 ]

菊池俊輔さん
Photo By 共同

 「ドラえもん」「仮面ライダー」「Gメン’75」などテレビ番組の主題歌や伴奏音楽(劇伴)の分野で日本を代表する作曲家、菊池俊輔(きくち・しゅんすけ)さんが24日午前9時16分、誤嚥(ごえん)性肺炎のため都内の療養施設で死去した。89歳。青森県出身。葬儀は親族で行った。喪主は長男竜輔(りょうすけ)氏。お別れの会は未定という。

 次男の祐輔氏によると、菊池さんはここ数年、病気療養のため作曲活動を休止していた。数カ月前に療養施設に入っていたといい、祐輔氏は「苦しむことなく、穏やかに眠るようにして亡くなりました」と明かした。

 日大卒業後、プロの音楽家を目指し61年、映画「八人目の敵」で劇伴デビュー。「海底大戦争」「ガメラ」シリーズなど映画音楽を多数手掛け、梶芽衣子(74)主演「女囚701号 さそり」の主題歌「怨み節」がヒットした。

 65年以降はアニメや特撮番組の主題歌、挿入歌も担当し、昭和のテレビ黄金期を彩った。今でも世代を超えて親しまれる曲ばかりで、アニメでは「タイガーマスク」「バビル2世」「ドカベン」を手掛けた。♪あたまテカテカ さえてピカピカ…の歌いだしで知られる「ぼくドラえもん」(作詞・藤子不二雄、歌・大山のぶ代)をはじめ「ドラえもん」の一連の楽曲も生み出した。

 菊池さんが楽曲提供する番組はシリーズ化されることが多く「菊池俊輔が音楽を担当すると番組もヒットする」と言われた。日本音楽著作権協会(JASRAC)が毎年発表している海外での著作権使用料のランキングでは「ドラゴンボールZ」のBGMなどで9回1位に輝くなど、海を越えて愛された。15年には日本レコード大賞の功労賞を受賞。惜しむ声が幅広い世代のアニメファンから上がった。

 ◆菊池 俊輔(きくち・しゅんすけ)1931年(昭6)11月1日生まれ、青森県出身。日大芸術学部音楽学科卒。61年に劇伴デビューし、63年にはNHK「野菊の墓」でテレビ劇伴デビュー。「キイハンター」「Gメン’75」「暴れん坊将軍」など、耳に残るメロディーを数多く残した。

 ▼ささきいさお 「ゲッターロボ」をはじめ、先生が作曲されるロボットものを次から次に歌唱させていただきました。先生が音楽を担当していらした「Gメン’75」の欧州ロケではダジャレを言い合いながら旅行をしたのが楽しい思い出です。

 ▼水木一郎 初めて雄叫びをした「超人バロム・1」、風邪をひいて叱られた「バビル2世」、別名で歌った「侍ジャイアンツ」、コミカルな一面を引き出してくれた「がんばれ!!ロボコン」、漢(おとこ)の哀愁を深く感じた「仮面ライダー」シリーズなど、数えきれないほどの番組の主題歌を歌わせていただき、その時の光景が今も目に浮かびます。

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2021年4月29日のニュース