「一万人の第九」初の無観客開催も1万347本動画とともに大合唱 霜降り・粗品も興奮「奇跡」

[ 2020年12月6日 18:31 ]

「一万人の第九」は無観客、一般合唱団なしで今年も開催された(提供・MBS)
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 師走の風物詩「第38回サントリー 一万人の第九」(スポニチ後援)が6日、大阪城ホール(大阪市中央区)で開催された。新型コロナ感染拡大防止対策のため、史上初めて一般合唱団なしの無観客、朗読なしで、時間も短縮されて実施した。昨年、史上最年少で朗読の大役を務め、今年は総合司会を担当した霜降り明星・粗品(27)は「緊張しました。また携われて凄く嬉しい。(動画投稿による合唱は)絶対できないと思っていた。大成功です。感動しました。長い音楽史に残る奇跡のコンサート」と興奮気味に語った。

 ゲストがシラーの詩「歓喜に寄せて」の日本語訳「よろこびのうた」を朗読。指揮者・佐渡裕氏(59)の下、一般公募の1万人が、4000人の観客の前でベートーベンの交響曲第九番第4楽章「歓喜の歌」をドイツ語で大合唱するはずだった。だが、1983年に始まった大イベントは、新型コロナウイルスによって大幅に規模縮小されての開催となった。

 今回は、昨年の佐渡氏が指揮する映像を見ながら合唱した動画1万347本の一般からの投稿を、オーケストラの後方に設置した3つの大型スクリーンに映し出しながら、佐渡氏がタクトを振るという前代未聞の形式での大合唱となった。

 「開催できるかどうかだったが、私1人でも発信しようと思ってた。(動画投稿が)1万人突破と聞いた時には涙が出ました。1万人がよく、参加してくれた。37年間やってきた歴史の力が大きい」と佐渡氏も感無量の面持ちだった。

 新型コロナの第3波の影響で会場での出演者は、佐渡氏とピアニスト・反田恭平氏(26)、オーケストラ85人、オペラ合唱団40人、ソリスト4人と総合司会の粗品、進行のMBS・野嶋紗己子アナウンサー(24)の計133人。10月末の時点では、会場内の気流実証実験などを経て、一般公募合唱団1000人、観客1000人が参加しての開催に縮小。その後、近畿2府4県からの500人と規模を小さくしてでも何とか開催しようとしていた。

 この模様は19日の特番「1万人の第九 つながろう、今」(後4・00~)で、MBSテレビ、TBSテレビなど6局ネットで放送される。

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2020年12月6日のニュース