篠原ゆき子 “第二のカメ止め”で映画初主演、「相棒」にも…キャリア15年でつかんだ上昇気流

[ 2020年12月6日 06:30 ]

「ミセス・ノイズィ」で映画初主演した篠原ゆき子
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 公開中の映画「ミセス・ノイズィ」で初主演した女優篠原ゆき子(39)が本紙取材に応じた。女優15年、「第二のカメ止め」とされる話題作での初主演を語った。

 映画には夢がある。サクセスストーリーのように物語で夢を表現する作品。そして上映までの道のりに夢がある、例えば製作費300万円ながら興収30億円を突破した「カメラを止めるな!」。今作も製作費1000万円。昨年の東京国際映画祭でお披露目されると劇場公開を望む声が多数寄せられ、配給が決まった。

 奈良騒音おばさん事件。CDラジカセを大音量で鳴らし、隣家の女性を睡眠障害に陥らせたとして傷害と暴行罪に問われた。上告審で懲役1年8月の二審判決が確定。天野千尋監督がその他近隣トラブルも参考に、オリジナル脚本で問題提起した。

 騒音に悩む隣人の小説家を演じた。2013年の「共食い」で高崎映画祭最優秀新進女優賞を獲得し「いつか主演で映画賞を獲りたいと思っていたので初主演で適ってうれしい」。今作で先月、アジア太平洋映画祭での主演女優賞に輝いた。

 「粘り強さだけが取り柄。短距離走は苦手だけどマラソンは気合いでやってきた。いろんな現場で勉強させてもらって毎回死ぬほど後悔して15年。(時間が)かかるよなと思います」

 男女を問わず、実力派俳優の露出が増えている。ドラマ「半沢直樹」での白スーツが印象的な江口のりこ(40)。篠原は2008年、テレビ大阪系「週刊真木よう子」で共演した。「同い年で共通の友達も多い。地に足がついている感じで、勇気をもらいます」

 娘役で共演した新津ちせ(10)は撮影時、まだ「パプリカ」で昨年のレコード大賞を受賞するユニット「Foorin」での活動を始めたばかり。大高洋子(55)演じる騒音おばさんと対立する役柄だけに、控室でも距離をとって本番を待っていると「ちょこちょこ(大高との間を)行き来して人懐っこくて。紅白での活躍は感慨深かった」

 コロナ禍で延期された公開が、山と谷を越えてきた女優人生に重なる。自身も10月からは、ABC系「相棒」にレギュラー出演も開始した。「第二のカメ止め」とされる作品同様、上昇気流に乗っている。

 ◆篠原ゆき子(しのはら・ゆきこ) 1981年1月21日、神奈川県出身の39歳。2005年、映画「中学生日記」で女優デビュー。小学生時代、お年玉で買ったワープロで文章を書いた経験から後に自主制作映画で脚本を担当したことも。近作では「浅田家!」「罪の声」にも出演。

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