豊島竜王、4度目防衛戦で初防衛「達成出来てよかった」 羽生九段は100期到達ならず

[ 2020年12月6日 19:00 ]

第33期竜王戦七番勝負第5局 タイトル初防衛を果たし、感想戦で対局を振り返る豊島将之竜王(代表撮影)
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 将棋の第33期竜王戦7番勝負第5局は6日、神奈川県内で第2日が指され、豊島将之竜王(30)が84手で挑戦者の羽生善治九段(50)を下し、シリーズ通算4勝1敗でタイトルを防衛した。

 豊島は第1日を「あまり自信はなかった」、第2日を「ゆっくり指すとちょっとずつ苦しくなる気がした。あまり成算はなかったが本譜の方が勝負になると思った」と振り返り、良くなった局面については「最後の最後。最後まで分からなかった」と話した。

 これでタイトル通算6期目となった豊島だが、18年に獲得した棋聖、王位を翌19年に失い、同年奪取した名人位は翌期に失冠。防衛戦は4度目にして初制覇となり「なかなか出来なかったことが達成出来てよかったです」と静かに喜びを語った。

 敗れた羽生は「ずっと難しいと思っていた。どこかで形勢を損ねたが、それがどこかは分からない。久しぶりの2日制は自分なりに充実して指せたと思う。(今局は)細かいところでミスがあった。そこは反省材料にしたい」と話した。現在タイトル獲得99期の羽生にとって、18年の名人戦(挑戦失敗)棋聖戦(失冠)竜王戦(失冠)に続き、節目の100期到達には4連続で足踏み。今年度はタイトル挑戦権がなく、偉業達成は来春以降に持ち越された。

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