【近畿学生野球のキーマン】大阪観光大　浮沈のカギ握る2年生左腕・河上「秋は勝って貢献したい」

大阪観光大の2年生左腕・河上（左）と西山主将
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　近畿学生野球連盟（KBL）の1部秋季リーグ戦はあす2日に開幕する。1948年に創設され、国公立、私学あわせて18校で活動する連盟は「文武両道のリーグ」と呼ばれ、フェアプレーの精神を重んじる。ここ5シーズンは21年春から和歌山大、神戸大、和歌山大が制覇し、昨秋、今春と大阪公立大が2連覇するなど国公立大勢が躍進。巻き返しを期す奈良学園大、大阪観光大、阪南大の私学勢も含め、精鋭6校が覇権を争う秋。各校の注目選手を中心に紹介し、展望した。

　昨春に3度目の1部昇格を果たした大阪観光大は、4季連続1部の舞台に臨む。今春は4勝8敗、勝ち点2の4位だった。しかし、神戸大戦3回戦で9回3点差からの逆転サヨナラ勝利がなければ、入れ替え戦出場の可能性もあった。

　佐藤弘樹監督は「春は、ほとんどギリギリで残留したという形だったので、自分たちの力のなさをすごく感じていると思う」と、選手の発奮に期待する。4年生はエースの竹本徹だけ。2、3年生主体で1部定着、リーグ戦制覇に向けて新たな一歩を踏み出す。

　そんなチームの浮沈の鍵を握るのが、2年生左腕の河上だ。初めてベンチ入りした今春は第2戦を任され6試合に先発したが、未勝利に終わった。「1勝もできなかったので、悔しい気持ちが強かった。秋は勝ってチームに貢献したい」。1メートル90の長身から投げ下ろす角度のあるボールが武器。最速136キロだが「将来的には140キロ後半ぐらいは出る」（佐藤監督）と、伸びしろは大きい。エースに育てるため、変化球もカーブ、スライダーのみに限定し、今は速球に磨きをかけている段階だ。

　昨年は久保修（現広島）がチームの核だったが、今年は傑出した選手はいない。西山主将は「チームのテーマは一体感。投手も野手も一緒になって全員で立ち向かう姿勢を出したい」と一丸態勢を強調する。自身も絶対的なレギュラーではないものの、50メートル走6秒1のチームNo・1の快足で、リーグ戦上位進出に貢献するつもりだ。　（田中　貴久）