関西大学野球リーグ

【関西学生野球のキーマン】近大・久保 目指すは夢の防御率「0・00」

[ 2022年3月30日 05:31 ]

近大・久保玲司
Photo By スポニチ

 ケガからの復活の先に、夢のプロ入りと日本一を見据える。最速151キロ左腕の近大・久保玲司は悲壮な決意で夢の数字を追いかける。

 「何勝というより、先発で出ることもあるし、後ろで投げることもあると思う。投げる試合は勝ちたい。防御率0・00を目指してやっています」

 上背はないが、キレのある速球はプロからも高い評価を受ける。ただ、これまではケガとの闘いだった。1年冬に左肘尺骨神経の前方移行術を受け、約半年間のリハビリ。2年秋、3年春と好調なシーズンを過ごすも、昨秋は左肩痛のためリーグ戦登板なしに終わった。そこで今冬は肘の位置を上げ、負担の少ないフォームに改良。自宅近くの河川敷で走り込み体力もつけた。

 同じ左腕で体格、最速も近い広島のドラフト1位・黒原(関学大)が指標だ。昨春の直接対決で互いに完投。0―1と惜敗だったが「点差以上に完敗でした。マウンドでの落ち着き、視野の広さは比べものにならない」と圧倒された。だが、一流のレベルに肌で触れ「これまでお世話になった方への恩返しの形がプロに行くことだと思う」と目標は明確になった。タイトルを総なめにした黒原と同じく圧倒的な成績を残せば、おのずとリーグ優勝、日本一も近づく。

 つらかったリハビリ中は、一つ屋根の下に暮らす祖父母が「大丈夫、大丈夫」と優しく接してくれたことが心の支えになった。今の癒やしは2歳と1歳のおいっ子と遊ぶこと。家族の応援を背に、左腕を振る。

 ◇久保 玲司(くぼ・れいじ)2000年(平12)6月24日生まれ、大阪府守口市出身の21歳。藤田(とうだ)小1年から藤田ブルースターズで野球を始め、大久保中では準硬式野球部に所属。関大北陽では1年夏から背番号20でベンチ入りし、2年秋からエース。近大では2年秋からリーグ戦に登板し通算14試合5勝3敗、防御率1・29。最速151キロ。球種はスライダー、チェンジアップ。1メートル71、68キロ。左投げ左打ち。

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