関西大学野球リーグ

【関西六大学野球のキーマン】龍谷大・伊藤 負傷を乗り越えたエースが王者を止める

[ 2023年3月30日 09:21 ]

龍谷大・伊藤岳斗

 最速153キロ右腕の龍谷大・伊藤岳斗は、2年前の歓喜を再現する春にするつもりだ。

 「(21年秋に)明治神宮大会を経験したことで、より神宮に行きたい気持ちが増した。神宮への思いがあるから練習を頑張れる。神宮に出られたことは大きかったと思います」

 2年秋のリーグ戦は登板8試合2勝1敗、防御率1・38と14年春以来の優勝に貢献し、MVPにも選ばれた。そのまま11年ぶりとなる明治神宮大会にも出場するなど、非凡な才能が一気に花開いた。

 しかし、昨年は故障に悩まされた。春に右肩の違和感を発症すると、秋には右脇腹を負傷。春秋ともに2年時の成績を下回り、2季連続で優勝を逃した。「去年の春はケガで出遅れ、秋も終盤は投げられなかった。1年間投げられる体づくりをしないといけない」。オフ期間はウエートトレに時間を割き、土台づくりから見直した。体重に変化がないのは引き締まった体ができあがった証。「キャッチボールから力の伝わり方が変わりました。冬の練習は間違っていなかった」と球の力強さに手応えをつかんでいる。

 「防御率や奪三振数にこだわりたい。三振は投手の見せ場だと思うし、チームに勢いをつけることもできる。大商大に勝つためには、チームがまとまって戦うことが大事になると思います」。2年時の覚醒から順風満帆には進まなかった。ただし故障は完治しており、本領を発揮する準備は整った。経験豊富なエースが、もう一度殻を破る。

 ◇伊藤 岳斗(いとう・がくと)2002年(平14)3月27日生まれ、京都府京都市出身の21歳。小学3年から大将軍ベアーズで野球を始めて、中学は京都西京極ボーイズで投手。磐田東(静岡)では、1年秋に背番号18でベンチ入りし、2年春に背番号1。龍谷大では2年秋にリーグMVPを受賞するなど通算4勝。50メートル走6秒2。1メートル80、83キロ。右投げ右打ち。

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