関西大学野球リーグ

【近畿学生野球秋季リーグ9月3日開幕 1部展望】和歌山大、2季連続Vに死角なし

[ 2022年9月2日 10:00 ]

 近畿学生野球連盟(KBL)の1部秋季リーグ戦はあす3日に開幕する。1948年に創設され、国公立、私学合わせて18校で活動する連盟は「文武両道のリーグ」と呼ばれ、「フェアプレーの精神」を重んじる。ここ3シーズンは和歌山大、神戸大、和歌山大と国立大勢が躍進。巻き返しを期す奈良学園大、阪南大、大阪観光大の私学勢、合併後初の頂点を見据える大阪公立大も含め、精鋭6校が覇権を争う秋。各校の注目選手を中心に紹介し、展望した。

【1部展望】
 春を制した和歌山大は4年生の引退はなく大きな戦力ダウンもない。投手陣は経験豊富な2年生左腕の島龍成に加え4年生で投手リーダーの小林亮太、3年生右腕の生田寛大、4年生右腕の松野椋太が軸。1年生右腕の田中輝映(てりえ)もメドが立った。攻撃面では金谷温宜主将を中心に、春ベストナインの島本崇希と巻き返しを期す箕沢孝介の中軸、実績ある柏田樹らで、ノーサイン野球を実践する。

 春2位の大阪観光大は、首位打者の井上拓磨が引退したが、久保修、八杉陸の4年生主力は残り、1年生も成長している。阪南大は春7敗のうち、4敗が2点差以内。垣下真吾監督は個の能力よりもチーム全員で戦うスタイルを目指す。俊足の藤原稜と松田陸斗が出塁し、中軸が還すパターンに持ち込みたい。奈良学園大はエース右腕・植木佑斗が安定しており、3年生以下が中心となる新チームに移行しても選手個々の地力の高さから、優勝を狙える戦力を誇る。春は守備の乱れも目立ったが、秋は基本に忠実な野球を目指す。

 統合2シーズン目の大阪公立大はチームのまとまりが進む。投手でベストナインに選ばれた右腕・正中敦士に続く2番手が出てくれば一躍ダークホースに挙がる。春最下位の神戸大は攻撃が課題だ。

【2部展望】
 春季リーグで10勝0敗と圧倒した大工大が秋も優勝候補として揺るがない。春のベストナインで投打の中心だった藤野竜馬、笹部千登勢ら4年主力が引退したが、新主将の福元収大や首位打者の久良亮輔らが並ぶ打線は脅威だ。

 対抗は、大阪大谷大か。竹中浩平や増田丞志ら層の厚い投手力は強力。課題は、春に4分けと勝ちきれなかった打力だろう。150キロ右腕の牟田稔啓らを擁し、年々戦力アップを遂げている神戸医療未来大、春にDHのベストナインに輝いた二刀流の田中大聖がいる太成学院大が続く。

 ◇近畿学生野球連盟 1948年(昭23)、近畿6大学野球連盟として創立した関西最古の大学リーグ。47年に大阪商科大(現大阪公立大)・稲葉重男監督、大阪理工大(現近大)・松田博明監督が大阪帝大(現大阪大)を勧誘した3校リーグが基礎となった。連盟50周年記念誌『球跡』によると前身は23年に始まった官立高等専門学校野球。28年発足の旧制専門学校主体の関西学生野球連盟(今の同名の連盟とは無関係)を源とする。現在は3部18校で構成。春、秋季リーグ戦、入れ替え戦を行う。連盟規約で目的を「学生野球の理念を実践し、その健全な発展に寄与」とうたい「選手、部員等の文武両道による成長の支援」を明記している。事務局は大阪市西区江戸堀1の24の12、TAT江戸堀ビル5階=(電)06(6447)1511=。

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