“ジョニー”おかえり!ロッテが黒木知宏氏の1軍投手コーチ就任発表 引退から16年…満を持して古巣復帰

[ 2022年10月18日 05:20 ]

黒木知宏氏
Photo By スポニチ

 ロッテは17日、「ジョニー」の愛称で親しまれた球団OBの黒木知宏氏(48)が1軍投手コーチに就任すると発表した。気迫のこもった投球でファンから絶大な人気を誇った「魂のエース」。現役引退後は、18日に就任記者会見に臨む吉井理人新監督(57)と一緒に日本ハムの1軍投手コーチを務めるなど、指導者のキャリアを積んでいた。満を持して07年以来16年ぶりに古巣に復帰する。

 吉井新監督の電撃就任発表から10日。「12球団で一番熱い」と称されるロッテファンは、さらなる興奮に包まれた。カリスマが来春、現役を引退した07年以来16年ぶりにピンストライプのユニホームに袖を通す。1軍投手コーチに就任する黒木氏は球団を通じ、「まず、このお話を頂き、身が引き締まる思いです。常勝軍団を目指す千葉ロッテマリーンズの一つの核となる強力投手陣を構築させるべく尽力していきます」と決意表明した。

 現役引退後は13~17年に日本ハムで投手コーチを務めた。16年は投手部門のチーフだった吉井新監督と二人三脚で、二刀流の大谷翔平(現エンゼルス)を巧みに起用して日本一に輝いた。ブルペン担当として、吉井流の投手マネジメントを間近で吸収。近年はテレビ解説者としてロッテの選手の状態を把握しており、今季5位からの再建を目指す新指揮官の右腕として最適の存在といえる。

 かつてのエースは05年にシーズン2位からプレーオフを勝ち抜いてリーグ優勝、日本一、アジア一を経験。しかし、歓喜よりも苦難の数々が、黒木氏の野球人生の礎だ。

 チームが17連敗を喫した98年の「七夕の悲劇」ではマウンドで泣き崩れたシーンが有名。これを糧に同年最多勝に輝き、球界を代表するエースとなった。一方で、現役終盤には右肩痛で2軍のロッテ浦和球場でリハビリの日々を送った。応援してくれる人のために復活したい。走り込みにより、はがれた芝の跡を、ファンは「ジョニーロード」と呼んだ。

 1シーズン制では70年以来53年ぶりとなる勝率1位でのリーグ優勝が最大の目標。その先に常勝軍団を築くためにも、球団の歴史を後輩に伝えていくことは重要だ。今のチームには今季完全試合を達成した佐々木朗を筆頭に、種市、小島ら若くて才能あふれる投手が多い。満を持しての古巣復帰に際し、「千葉ロッテマリーンズのファン、スタッフの皆さまとともに戦っていきます」とコメントした黒木氏。今にも聞こえてきそうな宮崎なまりで、「ジョニー魂」を継承させるための機は熟した。(橫市 勇)

 ◇黒木 知宏(くろき・ともひろ)1973年(昭48)12月13日生まれ、宮崎県出身の48歳。延岡学園から新王子製紙春日井を経て、94年ドラフト2位(逆指名)でロッテ入団。98年に13勝、勝率.591で最多勝と最高勝率を獲得。07年に現役引退。通算199試合登板で76勝68敗1セーブ、防御率3.43。00年シドニー五輪日本代表。13~17年に日本ハムの投手コーチを務めた。愛称は「ジョニー」。右投げ右打ち。

続きを表示

2022年10月18日のニュース