ソフトB・藤本監督「説得しますよ!」 主将退く意向の柳田を“軟禁”してでも「“うん”と言うまで」

[ 2022年10月18日 05:00 ]

ソフトバンク・藤本監督(左)と柳田(撮影・岡田丈靖)

 ソフトバンク・藤本博史監督(58)が17日、ペイペイドームを訪れ、柳田悠岐外野手(33)に主将続投命令を出した。ルーキー時代から指導してきた愛弟子に主将を託した今季はリーグ優勝を逃し、オリックスとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで敗退。主将を退く意向を示した柳田に対し、指揮官は“軟禁”してでも慰留する考えを示した。

 終戦から2日。秋空が広がる福岡で藤本監督の冗舌トークが戻って来た。来季の主将を問われると、声のトーンを上げ即答した。

 「やっぱり柳田にやってもらいたい。本人は“もうしません。俺の責任です”って言っていたけど、おまえの責任やない。俺の責任やから。お願いします。説得しますよ!」

 柳田は15日、オリックスとのCSファイナルSで敗退し「力不足な感じ。そういう(主将の)器じゃなかったかなと感じています」と全責任を背負い込んだ。主将就任した今季は打率・275、チームトップの24本塁打、79打点。それでも決して満足する数字ではないが、終盤戦の勝負強さは異次元だった。

 優勝マジック「1」で迎えた1日の西武戦では9回に同点弾。2日のロッテ戦は試合前の円陣で「ダメやったら全部俺のせいで!俺が責任とって、こんなん(キャプテンマーク)破り捨ててやる!俺のせいにしろ!死ぬ気で行くぞ」とナインを鼓舞した。その言葉通り、CSファーストS第2戦まで4戦連発。チームを引っ張り続けた姿に指揮官は「1年間本当によく引っ張ってくれた。柳田がキャプテンじゃなくて、誰がする?見当もつかんし、柳田みたいに背中で引っ張っていくのが理想。あいつの一打で勝った試合がどんだけあるかってことですよ」と信頼は絶大だ。

 疲労を考慮し、秋季キャンプは不参加の見通し。説得の場は24日に始まる全体練習(ペイペイドーム)での面談になる。藤本監督は交渉材料については「しゃべりしかないやろ(笑い)」と断言した上で「“うん”と言うまで監督室から出さん」と“強攻策”も辞さない構えを見せた。

 V奪回への第一歩として、まずは愛弟子にありったけの思いをぶつける。(福井 亮太)

 《指揮官1年目を王会長は評価》王会長がペイペイドームで取材に応じ、藤本監督1年目のタクトを評価した。世代交代をテーマに掲げ、積極的に若手を起用した采配に「下から上がってきたらすぐに使って、大変だったと思う。若い人たちにとっては良いチャンスがあった」と振り返った。野村勇が新人球団タイとなるシーズン10本塁打を放ち、「筑後ホークス」と称された野村大、増田、谷川原らも1軍で結果を残した。それでもリーグ優勝を逃し「今年の経験を生かしてもう少したくましくなってもらいたい。やっぱり勝たないとダメ。勝負の世界の差を大きく感じただろう」とさらなる飛躍を期待した。

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2022年10月18日のニュース