期待したい「吹田の主婦」が世界の舞台で活躍する姿を

[ 2022年10月18日 08:00 ]

オリックス・山崎颯一郎
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 「吹田の主婦」が世界の舞台で活躍する姿が見たい。CSでの投球を目の当たりにして、その思いを改めて強くした。オリックス・山崎颯一郎、24歳。来年3月のWBCでぜひとも侍ジャパンのメンバーに入れるべき。チームの世界一奪回の切り札になるはずだ。

 小顔でイケメン。1メートル90の長身で手足が長く、さらにマッチョとくれば特に女性に人気が出ないわけがない。ただ、最初に話題になったのは野球のプレーではなかった。2020年のファンフェスタ。山本、頓宮の料理対決の際に、山崎颯は「吹田の主婦」という設定で裸にエプロン、三角巾という姿で登場したのだ。エプロンの下は鍛え上げられたむきむきの筋肉美。その素っ頓狂(すっとんきょう)かつセクシーなコスプレが強烈なインパクトを残し、「吹田の主婦」はファンの間で一気に広まった。

 ただ、19年に右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた影響で、その当時はまだ育成選手。同年12月に支配下選手登録されると翌21年に1軍初勝利を挙げ、ヤクルトとの日本シリーズでも好投した。そして今シーズン途中から中継ぎに配置転換。ブルペンを支える一人として欠かせない存在になった。ソフトバンクとのCSファイナルS第4戦では球団最速を更新する160キロをマークするなど、大器としての才能が開花しようとしている。

 WBC。特に準決勝以降の戦いでは、米国はもちろんドミニカ共和国、プエルトリコなど中南米のチームに、100マイル(約161キロ)前後のボールを武器にした中継ぎ投手がぞろぞろといる。第3回大会以降で優勝を逃している侍ジャパンは、このパワーピッチャーに手を焼いた。一方で相手打線を抑えるためにも、パワーにはパワーで対抗したい。山崎颯は中継ぎとしてその筆頭候補になりうる。それほどの逸材だ。

 「吹田の主婦」が、世界の舞台で颯爽(さっそう)と――。そんなジャパニーズドリームを期待している。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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2022年10月18日のニュース