中畑清氏 巨人・デーブ大久保コーチに託された「4番・岡本」の再生

[ 2022年10月18日 05:30 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル!】2年連続の負け越しで今季4位に沈んだ巨人がコーチ陣を大幅に入れ替えた。1軍から3軍、巡回コーチを含めて20人の大刷新。来季巻き返しの鍵を握っているのは1軍チーフ打撃コーチに就任したデーブ大久保だと思うね。

 打撃コーチとしては西武、楽天で結果を出してきた。米国仕込みのアーリーワークを取り入れたりしてさ。15年に楽天で監督を経験したデーブにとってコーチというのは抵抗があったかもしれないが、またユニホームを着られるんだ。監督を1年で解任された悔しさもあるだろう。いいチャンスをもらったと思って野球人生の全てを懸けてほしいな。

 今季リーグ最低のチーム打率・242にあえいだ打線をいかに底上げするか。若手の育成ももちろん大事だけど、最重要任務は「4番・岡本和」の再生だと思う。一昨年、昨年は不動の4番として2年連続で本塁打、打点の2冠に輝きながら、今年は無冠に終わった主砲。8月から4番の座を中田に譲った。5年連続30本塁打はどうにかクリアしたけど、打率・252、82打点はいかにも寂しい。

 体つきもボテッとしてさ。いい時はかわいく思えたオトボケが覇気のなさ、やる気がないように見えてしまう。3冠王に輝いたヤクルトの村上が凄すぎるから余計感じるんだよね。モノはいいんだから。岡本和を心身ともに鍛えて真の4番に再生できたら、ジャイアンツ全体が変わると思う。

 デーブとは私が選手会長の時代、オフのテレビ番組で共演したのが最初かな。ともに刑事で私が上司で当時西武にいたデーブが下っ端。デーブは92年途中巨人に移籍し、93年から2年間はコーチと選手の関係になった。私のことを「師匠」と呼んでね。いつか一緒に仕事したいと思ってDeNA監督時代にフロントに頼んだが、却下されて実現しなかった。

 今回、巨人でかなったユニホーム復帰。明るいキャラクターを最大限に生かしてチームを明るく、戦う集団にしてほしい。縦社会で育ってきた人間は上司に遠慮しがちだけど、こうと思ったら信念と覚悟を持って原監督に進言してもらいたい。そのために呼ばれたんだから。忖度(そんたく)はいらない。(本紙評論家・中畑 清)

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2022年10月18日のニュース