エンゼルス・大谷 史上初!8打点翌日13K 交代打診も志願続投8回0封 三たび連敗止めた

[ 2022年6月24日 02:35 ]

ア・リーグ   エンゼルス5―0ロイヤルズ ( 2022年6月22日    アナハイム )

<エンゼルス・ロイヤルズ>7回、ドジャーを三振に打ち取り回転しながらガッツポーズで吠える大谷(撮影・篠原 岳夫)
Photo By スポニチ

 これぞ二刀流だ。エンゼルスの大谷翔平投手(27)が22日(日本時間23日)、ロイヤルズ戦に「2番・投手兼DH」で出場。自身メジャー最長タイの8回を投げ、2安打無失点で6勝目を挙げた。前日の8打点に続き、メジャー自己最多となる13奪三振の快投。キャリアで1試合8打点以上と13奪三振をマークするのはメジャー史上初で、しかもたった2日で成し遂げる歴史的パフォーマンスだった。

 駄々をこねる子供のようだった。中腰で諭すように話かけるフィル・ネビン監督代行を、大谷が鋭い視線で正面から見据える。ひと言目に対し「NO」。ふた言目にも「NO」。首を横に振りながら「交代打診」を寄せ付けない。折れた指揮官が腰を伸ばすと、大谷は打席に向かうため厳しい表情のまま、フットガードを装着し始めた。

 7回のベンチでのやりとりをネビン監督代行が明かす。「彼は断固として譲らず“No,this is mine(嫌だ、この試合は僕のもの)”と主張した。2点入った後に、もう一回、確認しにいった時は“No,me”と言っていたよ」。1点リードのまま12個目の三振を奪った大谷が、ガッツポーズしながら吠え、戻ってきた直後だった。球数は96。指揮官からの交代の提案を、寄せ付けなかった。

 志願の続投で、メジャー自己最長タイの8回を2安打無失点。今季自己最多108球を投げ、メジャー自己最多の13三振を奪い6勝目を挙げた。この日は主砲トラウト、一塁手のウォルシュがともに体調不良で欠場。守護神イグレシアスも休養が決まっていた。「まだ余力があった。投げたい気持ちが強かった。イギー(イグレシアス)が投げないことは決まっていたので、なるべく長い回を投げたいなと初めから思っていた」。主力を欠く中での自覚と責任の続投志願だった。

 21日は3ラン2発を含む自己最多&日本選手新記録となる1試合8打点。翌日にメジャー自己最多の13奪三振で白星とまさに二刀流ならではの活躍だった。1試合8打点以上と2桁奪三振を記録した選手は、剛腕トニー・クロニンガー(ブレーブス)が66年に9打点と12奪三振をマークして以来2人目。だが、2日連続の試合での達成はメジャー史上初めてだ。

 初回に1、2番に連打された後は、1四球のみで24打者を無安打に抑えた。最速99・9マイル(約160・8キロ)の直球は全体の25%に抑え、スライダーは腕を下げる場面もあるなど変幻自在。カーブも有効で「しっかり腕も振れ、いい軌道だった」とした。

 打っては3戦連続安打となる1安打2四球。「連敗している時に登板するのはなかなかキツいけど、やりがいを感じてしっかりと仕事できたのは良かった」。3登板連続で連敗を止める、まさにエースの投球だった。(笹田 幸嗣通信員)

 ▽トニー・クロニンガー 大リーグ史上1試合で2本の満塁本塁打を放った唯一の投手として知られる。ブレーブス時代の66年7月3日のジャイアンツ戦で記録。メジャー通算12年で113勝97敗6セーブ。打撃力にも優れ、通算11本塁打。14勝を挙げた66年は5本塁打、23打点をマークした。92年からヤンキースで9年間、投手コーチなどを歴任し、ジョー・トーリ監督とともに4度の世界一に貢献。02年からはレッドソックスのコーチや相談役を務めた。18年に77歳で死去。

 《メジャー通算300K 日本投手2位の速さ》大谷が初回、3番ウィットから空振り三振を奪いメジャー通算300奪三振。244回1/3での到達はダルビッシュ(パドレス)の242回1/3に次ぐ日本投手2位のスピードで、斎藤隆(ドジャースなど)の247回、野茂英雄(ド軍など)の254回を上回った。また、大谷は通算108本塁打で「100本塁打&300奪三振」はベーブ・ルース(ヤンキースなど)の714本塁打、488奪三振以来2人目。1試合13奪三振は、アルカンタラ(マーリンズ)の14奪三振に次ぐ今季メジャー2位タイ。日本ハム時代は14年7月9日の楽天戦での16奪三振が最多。 

続きを表示

2022年6月24日のニュース