ゴジラとニューヨークの「幸せな関係」 何年たっても変わらないスターと街の絶妙な距離感

[ 2022年6月24日 02:31 ]

壇上で、英語でスピーチを行う松井氏(C)Daphne Youree
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 「(スピーチで)かんじゃったよ、たくさん」。松井秀喜氏(48)は照れながら笑顔で会場を後にした。心地良い時間だったのだろう。

 12年限りで現役を引退して10年。時がたっても、ヤンキースにとって最後である09年世界一の立役者になったゴジラとニューヨークの「幸せな関係」は変わらない。夕食会でも主役だったが、14、16年にヤ軍の「オールド・タイマーズ・デー(OB戦)」に参加した時も、数あるスター選手の中で最大級の歓声で迎えられた。

 英雄扱いされ続けても、年中追いかけ回されるわけではない。現役時代から、ニューヨークの良さは「プライベートを尊重してくれる。普通に街を歩けるところ」と話していた。会場内でこそ写真攻め、あいさつ攻めにあったが、会場外で帰りの車を待つ彼には誰も声をかけなかった。

 私は99年から住んでいるが、この街は結果にシビアな半面、スターの扱いを心得ている。ニューヨークの人々がつくり出す絶妙な距離感。時は流れても、この部分が変わらない限り、「相思相愛」は続くはずだ。(杉浦大介通信員)

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2022年6月24日のニュース