エンゼルス6年ぶり9連敗 昨季MVP対決完勝ハーパーが大谷にエール「みんなが成功する姿を見たい」

[ 2022年6月4日 20:11 ]

5回、3ランを放ったハーパー(右)は出迎えたシュワーバーとグータッチ(ロイター)

 MVPからMVPへのエールだ。エンゼルスの大谷翔平投手(27)は3日(日本時間4日)、敵地フィラデルフィアでのフィリーズ戦に「2番・DH」で出場し、3打数無安打1四球。2戦連続無安打に終わりチームは16年8月に喫した11連敗以来となる9連敗を喫した。

 投手陣が5被弾10失点。打線は5安打無得点。試合後、ジョー・マドン監督は「見ていられなかった」と肩を落とした。

 大谷はメジャー5年目にして初対戦となったフ軍相手に1四球こそ選んだものの3打数無安打、2三振。トラウトも4打数無安打で、5試合&22打席連続で安打が出ていない。指揮官は「今は辛い時期だが前に進んでいくしかない。最終的には取り戻してくれると絶対に信じている」と振り絞るように話した。

 前日はヤンキースタジアムでのダブルヘッダーに連敗し、8連敗。失意のナインはフィラデルフィアへ、深夜のバス移動。宿舎に到着したのは午前2時を回っていた。首脳陣は疲労を考慮し、試合前のフリー打撃をキャンセル。空気を入れ変えようとしたが6年ぶりの9連敗となった。

 フ軍も似たような状況だった。直近15試合で5勝10敗。メジャー5位の2億3710万ドル(約308億2000万円)の総年俸を誇りながら地区3位。試合前にジョー・ジラルディ監督を電撃解任し、トムソン。ベンチコーチが監督代行となった。この空気の入れ替えが功を奏し、投打が噛み合い快勝。2本塁打の主砲ハーパーは「この2カ月間は最高のチームでありたいと思っていたができていなかった。1球1球最後まで諦めない。我々は前へ進み続ける」と巻き返しを誓った。

 大谷とハーパーの昨季MVP同士の初対決でもあった。2打席連続本塁打を含む4打点で貫禄を示したハーパーは大谷に対し「彼はスーパースター。華がある」と称えた上で「今夜の試合は良くなかったが、みんな成功する姿を見たいんだ。それがこのゲームを素晴らしいものにする。選手が活躍すればチームは勝ち、試合は良いものになりファンを楽しませることになる」。

 2つ年上のスーパースターは“窮地を救うのは大谷”とばかりに温かい言葉でエールを贈った。(笹田幸嗣通信員)

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2022年6月4日のニュース