亀山つとむ氏「BIGBOSS効果」で阪神ベンチに諦めない雰囲気見えた

[ 2022年6月4日 05:30 ]

交流戦   阪神9ー7日本ハム ( 2022年6月3日    甲子園 )

亀山つとむ氏
Photo By スポニチ

 【亀山つとむ 視点】阪神・大山の3本塁打など派手な部分が目を引いた逆転勝利。もちろんあの3発が打線の着火剤になったのは間違いないが、2番手・藤浪以降のビハインドで投げた中継ぎ陣の奮闘を称えたい。

 ウィルカーソンが3回7失点で降板し、8回表まで劣勢の試合展開。ベンチが勝ちパターンを投入しづらい状況だった中、毎回のように走者を背負いながら、よく無失点で耐え続けた。試合後のお立ち台には誰も立つことがなかったが、全員が、この勝利の陰の立役者と言えた。

 こまかいプレーを着実にやりきれたことも勝因だろう。6、8回の攻撃では全員がつなぎの意識を共有。守備でも要所でしっかりと併殺が取れた。特に8回の長坂のファインプレーは大きかった。攻守両面で状況に応じたプレーができた点が、日本ハムを上回った。選手個々の本来の役割をつなぎ合わせることができれば、チーム力自体は高いのだ。

 「BIGBOSS効果」に、阪神の選手たちが少なからず乗せられた部分もあったのではないか。目の前でワクワクしながらプレーする日本ハムのメンバーに対し、阪神ベンチにも決して諦めない雰囲気が見えた。点差ほど大味なプレーもなく、お互いギリギリのプレーで楽しんでいた。本当のエンターテインメントとしてのプロ野球を見せてもらった気がする。(スポニチ本紙評論家)

続きを表示

この記事のフォト

2022年6月4日のニュース