ヤクルト・嶋 グラウンド内外で光る“野球脳” 「野球博士だからね」

[ 2022年6月4日 08:10 ]

ヤクルト・嶋
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 「プロ野球選手は野球博士であれ」。ヤクルトなどで監督を務めた野村克也氏の言葉だ。楽天時代の教え子であるヤクルト・嶋がまさに体現していると感じたことがあった。

 開幕直後のあるとき。他球団のプロ野球ニュースを見ながら、嶋はスラスラと出身校を答えた。「鵜飼選手は母校の後輩」と15歳下で同じ中京大中京出身の中日のドラフト2位ルーキーの名前がすっと出てくるだけではない。「(中日の)岡林選手は菰野だね」と高卒3年目の若手もしっかりインプットされていた。

 思えば、キャンプ中の2月。今年からコーチ補佐を兼任するベテランにスポニチのプロ野球選手名鑑を渡した際、「全部頭に入っているよ。野球博士だからね」とニヤリ。言葉通りだった。

 楽天時代の13年には正捕手として日本一に導いた。言わずもがな、野球脳は高い。塩見は「“この打席はこういう感じだったから、このボールが来るんじゃない”とか聞いている」とベンチで配球を教わっている。練習では誰よりも声を出し、若手をいじり、盛り上げる姿がある。

 ナインからの信頼も厚い37歳が、前日の3日に今季初めて出場選手登録された。今季はここまでコーチとしてベンチ入りしていたが、選手としてスタンバイ。グラウンドで活躍する姿を楽しみにしている。(記者コラム・青森 正宣)

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2022年6月4日のニュース