阪神・矢野監督 8回執念の采配!!代走3人、代打2人で一挙逆転「今シーズンで一番うれしいゲーム」

[ 2022年6月4日 05:30 ]

交流戦   阪神9ー7日本ハム ( 2022年6月3日    甲子園 )

<神・日>8回、島田(53)の押し出し四球で勝ち越し盛り上がる阪神ベンチ(撮影・北條 貴史)
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 阪神・矢野監督が8回、捨て身の戦術のごとく、積極的に動いた。大山のソロで1点差に迫り、なお1死満塁で二走のロハス・ジュニアを植田、一走の糸井を坂本へ。2人同時の代走で、この回だけで3人も代走のカードを切った。同時に出した、この回2人目の代打の山本が同点の右前打。3試合連続で1番に起用した島田が決勝の押し出し四球を奪い、近本には2点差に広げる適時打が生まれた。

 「諦めない試合をやってくれたし、全員野球をやってくれたし、本当に、“俺たちの野球”っていうのを、しっかりやってくれた」

 1イニング4得点のミラクル大逆転の余韻に浸った。なりふり構わぬ起用には伏線があった。5月26日の楽天戦は延長戦を想定し、同点の8回に二走長坂に代走を送らず、本塁憤死。駒を使い切らずに敗れ「結果的に俺がいききらんかった」と悔やんだ。「あそこで自分でも反省して、あのゲームからいくべきところはいくって」。ベンチに残った野手は捕手の片山1人だけ。万が一、負傷者が出れば、非常事態も考えられたが、ためらうことなく手を打った。

 現役時代に一緒にタテジマのユニホームを着た仲でもある新庄監督とは、オーダー交換で声をかけあった。「お互い楽しくやろうと」。試合が始まると、良好ムードが一転、作戦で火花を散らした。序盤はビッグボスペース。3回は満塁機でスクイズとヒットエンドランを決められ、用兵で3点を奪われた。

 3回を終えて1―7の大劣勢。「新庄監督ならいろんなことをやってくるのは知っている」と冷静だった。いいようにやられた逆襲とばかりに8回1死満塁では島田にスクイズを敢行させた。ファウルになったものの“スクイズ返し”で、三塁ベンチの敵将を苦笑いさせた。

 攻めた采配で勝利をつかみ「今シーズンで一番うれしいゲーム」と声が弾む。最大6点差をひっくり返し、勢いが出ないわけがない。(倉世古 洋平)

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2022年6月4日のニュース