ロッテ佐藤奨真“遅球”と朗希の残像で巨人打線幻惑も… 7回に「本当に悔しい」2失点でプロ初勝利ならず

[ 2022年6月4日 20:10 ]

交流戦   ロッテ1―2巨人 ( 2022年6月4日    東京D )

<巨・ロ>先発の佐藤奨(撮影・長久保 豊)
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 ロッテの2年目育成出身左腕の佐藤奨真投手(24)がプロ3度目の先発登板。巨人打線を6回までわずか2安打に抑えて迎えた自己最長となる7回に2失点してプロ初勝利はお預けとなった。

 7回4安打2失点で3敗目を喫した佐藤奨は「7回以外は自分の理想的なピッチングができたかなと思います。ポランコ選手への攻め方が追い込んでから甘くなってしまい、その隙を突かれました。リードを守り切れず本当に悔しいです」と無念さをにじませた。

 速球は求めていない。この日のストレートの最速は140キロ。スローカーブは90キロ台。勝負球のチェンジアップを含め巧みな緩急で巨人打線を幻惑した。前日の先発は最速163キロの「令和の怪物」佐々木朗希。この緩急ローテの効果もあり3回まで三塁失策がありながらも無安打投球で打者9人斬りと佐藤奨の持ち味が光る快投を見せた。

 その後も6回まで丸とウォーカーに打たれた2安打だけ。5回に佐藤都志也の先制打で1―0としプロ初勝利が見えてきた。

 しかし自己最長となる7回にこの試合初めてのピンチを迎える。先頭の吉川を三振に仕留めた後に岡本和に四球を与え1死一塁。続くポランコには大飛球を打たれフェンス直撃の二塁打に。巨人からは本塁打ではないかとリプレー検証の要求があったが判定は覆らず1死二、三塁に。それでもマウンド上の佐藤奨はポーカーフェースを貫いた。逆転のランナーを背負うピンチで迎えた増田陸に137キロの切れのあるストレートをうまくセンター前にはじかれ1失点。続く代打・中島には止めたバットに当たった打球が微妙な場所に転がる間に逆転の2点目を失った。しかし最後までポーカーフェースで腕を振り続け、130キロ台が“ウリ”のストレートがこの日105球目に140キロを計測した。

 結局この回で降板し7回105球4安打2四球2失点で6回まで見えていたプロ初勝利はまたもお預け。チームも3連敗を喫し佐藤奨は3敗目となった。

 佐藤奨は育成から今年開幕前に支配下選手契約を勝ち取ったが、プロ初先発となった5月14日のオリックス戦では球界最高エースの山本由伸の11奪三振を上回る12三振を奪うなど6回1失点、同28日の阪神戦での6回4失点に続く先発も初白星は遠かった。

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