エンゼルス大谷“らしくないね”77年ぶり投打Wヘッダーも1戦目3被弾KO&けん制死、2戦目無安打…

[ 2022年6月4日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス1―6ヤンキース、エンゼルス1―2ヤンキース ( 2022年6月2日    ニューヨーク )

<ヤンキース・エンゼルス>3回、ジャッジ(手前)に本塁打を浴びた大谷(撮影・篠原岳夫)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が2日(日本時間3日)、77年ぶりのダブルヘッダーでの投手&野手先発出場を果たした。ヤンキースとの第1試合は「2番・投手兼DH」で先発し、自己ワーストタイの3被弾など4回途中4失点で今季4敗目。第2試合は「2番・DH」で無安打だった。ヤンキースタジアムでは投手で2戦続けて黒星。チームは泥沼の8連敗となった。

 ベーブ・ルースからの試練か。「ルースが建てた家」とされるヤンキースタジアムのマウンドは、またしても大谷にとっては悔しさを感じる場所になった。

 「カウント球を含めて真ん中寄りに集まった。変化球がそこから曲がるはずが、曲がらないのが多かった」

 ダブルヘッダー第1試合は先発マウンドへ。初回、先頭のカーペンターから苦しんだ。粘られた末の11球目を右翼2階席に先制ソロ。2死からはトーレスにもソロを浴び、2点目を失った。3回は初対戦で本塁打リーグトップのジャッジに、左中間へ19号ソロを被弾。「大谷と対戦できてハッピー。最高の選手との対戦は楽しい。高めに来る球を狙っていた」と高めに抜けたスライダーを見逃してはくれなかった。自己ワーストタイの3発を浴び、4回途中4失点KO。1回持たず7失点KOだった昨年6月30日に続き、ヤンキースタジアムでは2戦連続KOで「自分自身の問題が大きい。良い打線なので良いところに投げられなければ悪い結果になる」とした。

 DHで試合に残った5回は、中前打を放ったが一塁けん制死。2試合目も3打数無安打と、いいところなく終わった。第1試合では降雨中断もあり、終了から約1時間30分後に第2試合開始という過密日程で二刀流出場。ダブルヘッダーで投手と打者でそれぞれ先発出場するのは、ルースらと同じ1930年代に活躍した「MLB史上最強の右打者」と呼ばれたジミー・フォックス(フィリーズ)が、1945年9月2日に達成して以来77年ぶりだった。チームも泥沼の8連敗で、最大11あった貯金は2まで減った。正念場となった大谷は「チームの流れもそうだし、そこを切れるような一本を自分自身、打てていないのは反省点」と無念さをにじませた。(笹田幸嗣通信員)

 ◇ジミー・フォックス MLB史上最強の右打者と呼ばれる。ダブルヘッダーでの投手&野手での先発出場を果たした1945年は第2次世界大戦が終戦した年だった。計500人以上の選手が兵役に就くためにチームを離れたとされ、選手不足からフォックスも投手として9試合に登板。9月2日の第1試合では2回を投げ、もう1試合は一塁手で出場した。33年に3冠王。34年には全米選抜チームの一員として来日し、沢村栄治とも対戦した。晩年はアルコール依存症などで成績が低下。51年に野球殿堂入り。67年に59歳で死去した。

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