菊池雄星、7回1失点で6勝目「米国に来て今が一番良い状態」 自身5連勝、大谷ライバルに安打許さず

[ 2021年7月2日 07:25 ]

ア・リーグ   マリナーズ7―2ブルージェイズ ( 2021年7月1日    バファロー )

<ブルージェイズ・マリナーズ>7回1失点と好投した菊池(AP)
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 マリナーズの菊池雄星投手(30)が1日(日本時間2日)、バファローでのブルージェイズ戦で今季15度目の先発登板。7回を投げ、5安打1四球6奪三振、1失点で6勝目をあげた。今季の防御率は3・18。試合はマリナーズが7―2で勝った。

 相手投手はここまで7勝4敗、防御率3・47のエース柳賢振。本塁打王争いで28本の大谷翔平につぐ、26本の3番打者ゲレロとの対決も注目された。

 対ゲレロの第1打席は初回1死走者なし、96・6マイル(約155・4キロ)の外角低め直球でストライクを取った後、92・5マイル(約148・8キロ)の内角高めのカットボールで遊ゴロ。第2打席は4回の先頭打者、2球目にこの日の最速98・8マイル(約159キロ)が出たが、3―1からカットボールが外れて四球。第3打席は6回1死一塁、87・4マイル(約140・6キロ)のチェンジアップを空振りさせた後、83・4マイル(約134・2キロ)のスライダーで遊ゴロ併殺打。ゲレロにヒットを許さなかった。

 菊池は初回先頭のセミエンに91・4マイル(約147・1キロ)のカットボールを左越え本塁打とされたが、その後は2回から7回まで「0」を続けた。カットボールやスライダーで10個の内野ゴロを打たせている。7回を投げ、5安打1四球6奪三振、1失点。今季の防御率は3・18。一方の柳賢振は4回5失点(自責4)KO。試合はマリナーズが7―2で勝ち、菊池は6勝目をあげた。

 試合後の一問一答は以下の通り。

――打線が効果的に援護してくれている。
「大きいですね。序盤に点を重ねてくれるので、自分の仕事に集中できます」

――カットボールでたくさんゴロアウトを取っていた。
「カウントも楽に取れるし、内野ゴロを打たせたいときはカットボール。今日三塁ゴロ、遊ゴロが多かったのは自分の持ち味が出た」

――球数を少なくするのにも有効なのでは。
「打者がカットボールを狙っているのもわかっている。それで打たせて取れれば長いイニングを投げられる。特にうちにはメジャーで一番の内野陣がいると僕は思っていて、内野ゴロを多く打たせるのが自分の仕事だと」

――6回のゲレロの併殺打はスライダーか。
「それまでゲレロに対してまっすぐ、カットが多かった。あそこでスライダーを投げたらゲッツーが行けると思っていた。高さの面でも理想のボールが行った」

――最近成績が安定しているが、過去にもこんなことはあったか。
「日本にいた時にいくつかあったけど、アメリカに来てからは今が一番良い状態。すべての試合がいいわけではないけど、(良くないときは)粘り強く試合中に修正しながらできている」

――日米の野球のボールの違いには慣れたか。粘着物不正使用の新ルールの影響は。
「日本とアメリカのボールは全く違う。説明は難しいけど、日本の方が投げやすい。ルールは変わりましたけど、やることは一緒。僕は影響を受けることなく、今まで通りに投げられている」

――今日のピッチングで良かった点は。
「初回先頭打者にホームランを打たれた後に、気持ちを切り替えて、内野ゴロをどんどん打たせて、アウトを取れたのが一番良かった」

――自身5連勝だが。
「そうはいっても2カ月弱。もっと良くなると本気で思っている。今日もストレートの精度はまだまだだと思った。ただ精神的に、点を取られても落ち着いていられたり、切り替えて向かっていけるのは、ここ2、3カ月で得たこと。しっかり準備しているんだからなんとかなると、いい意味で開き直ってマウンドに上がれている」

――今日で6勝目。
「勝ち星はあまり意識していない。とにかく長いイニングを投げたい、それができたら勝ち星は自然についてくる。ワンアウトでも多く取りたい」

――オールスター出場について。
「そこに関しては僕ができることはなにもない。最後にヤンキース戦が残っている。そこに向けてしっかり準備したい」

――今は5人のローテーションで回っている。
「中4日でも中5日でも体力的にはそんなに変わらない。ヒューストン戦から、自分のピッチングがわかってきた。今は自信を持ってマウンドに上がれている」

――転機となった試合は。
「その前のボストン戦ですごく悔しい負け方をして、技術だけでなく、気持ち的にも攻めて行けなかった。そこでヒューストン戦は絶対に気持ちでは負けないようにと思った」

――直球で最速を更新。
「マックスにこだわりはない。自分の強みだと思っているのは、後半になっても球速が落ちないこと。そこは大事にしていて、初回から徐々に球速が上がって、最後までしっかり投げられているのは良い兆候です」

――本塁打の多い打線に、狭い球場で投げた。特に意識したことは。
「ストライク先行で行ければ、僕自身が投げられるボールの幅が広がる。良いカウントを作るのが大事だと思う」

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